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なんとかブツを取り返すことに成功した二人。
組織に帰ってきた2人だが、お互いに黙ったまま自室に戻って行った。
途中で同僚達に「お疲れ~」「今回も上手くいったんだって?」などと声をかけられるが、お互い一言も発せず素通りして部屋に戻る。なぜなら今回はブツを盗まれるという大失敗したからである。
きっとボスの耳にも届いているだろうと2人報告に行くのを嫌がっていた。その結果いつもみたく任務が終わった後の報告をせず、何も無かったように部屋に戻ることにしたのだ。
少しはカポネへ任務報告をしに行くまでの時間が稼げるだろうと。
だが、そんな計画は無に等しかった。
―コンコン
ランスキーが部屋に戻り、上着を脱いで一息つこうとした時だった。誰かが部屋をノックしてきた。
(もう来たか…)
本当は居留守を使いたかったが、そんなのはこの人達に通用するはずもないので、素直に返事をした。
「...はい」
「俺っス!サコっス!ボスがお呼びです」
(やはりサコさんか。)
ランスキーは咄嗟に思いついた仮病で最後の悪足掻きを試みた。
「...体調が悪いので…行けないと伝えてください」
「それが、『仮病など使っても無駄だ。早くルチアーノと任務報告に来い』とボスから伝言を預かってまして...」
(…ボスにはお見通しか...。)
最後の悪足掻きもやはり想定内だったようで、素直に返事をするしかなかった。
「わかりました。行くと伝えてください」
「すんません。お役に立てずに...」
「いえ、わざわざありがとうございました。サコさんもお疲れ様です」
「いえ!これくらい朝飯前っス!じゃあ、後ほど~」
「…はい」
―コツコツコツ
サコさんは部屋の前から去ったのを確認すると――
(はぁ...。さすがサコさんとボスだ。)
ランスキーは改めてそう思った。
サコはカポネの右腕として活躍している人だ。戦闘能力は人並みだが、情報収集能力が高くハッキング技術を持っており顔も広いためにサコさんにはありとあらゆる情報が入ってくる。
そう、例えば国のお偉いさん方機密事項など...。
敵に回すととても怖い人である。
もちろんカポネも敵に回したくないタイプの人だ。
カポネは国のお偉いさんの家で産まれたらしいが、ここの先代に拾われたらしい。なぜ先代に拾われたのか詳しい事は誰も知らない。
ボスは生まれた家で帝王学やその他諸々の勉学を済ませていたため、幼少の頃からとても優秀だったと先代から聞いている。さらに、このファミリーに入ってからは色んな武術を修得し、実践も幼い頃から沢山積んでいるため、強い。
「もう俺じゃ敵わない。立派に育ってくれた。あとは頼んだぞ」
と先代は最後にそう言い残して亡くなった。それからは先代の跡を継ぎ組織を大きくした。
実質2人はこの世界のキングのようなものだ。そんな人には逆らえない。
さっさとルチアーノを呼んでカポネの部屋へ向かおうとランスキーは思い、部屋を出た。
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