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男『いだだだだだだっ!!!
何もしてねぇよっ離しやがれ!』
孝輔さんは手を離して僕を引き寄せた。
孝輔『二度とその面見せんな…。』
低い声で言い放ち、僕を連れてトイレから離れた。
無言で別のところへ連れていかれるが、掴まれている手首がギリギリと痛んだ。
空葉『あ、あの…どこへ…』
恐る恐る聞いてみると怒鳴られた。
孝輔『んっのバカ!!!なんで逃げねえんだよ!
こういう店はな!ああいうのがゴロゴロいんだよ!』
余りにも恐くて声が震える。
空葉『ご、めんなさ…』
泣きそうになり、俯くとハッとした孝輔。
孝輔『いや…何もされてねぇか?』
空葉『はい…。』
孝輔『そうか、良かったけど…まだ怖いか?』
微かに震えている空葉に気付いた。
空葉『怖くないです…。』
強がっていうも暖かい何かに包まれた。
空葉『へっ?!!!』
そう、孝輔さんに抱き締められていたのだ。
驚きか嫌悪か…いや違う。
また"別の何か"のせいで鼓動が高鳴った。
孝輔『何強がってんだバカ。』
耳元で言われる。
先程までは馬鹿にされればイラついた筈なのに、胸がきゅうと締め付けられるような感じがした。
空葉『っ…。』
途端に安心感が訪れて、申し訳程度に抱き着いた。
すると孝輔さんの手が優しく背中をトントンと叩いてくれる。
その温かさに、心地の良さに浸っていたら、いつの間にか震えが止まっていた。
空葉『…もう、大丈夫です!ありがとうございます…。』
さすがにもう戻らないと2人を心配させてしまうため離れる。
孝輔『じゃあ戻るぞ。』
先程の優しい声音ではなく、最初の余裕そうなものに戻っていた。
少し名残惜しい気がする…。
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