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次の日、いつもより早く起きてシャワーを済ませる。
髪の毛も乾かして制服を着ていると、インターホンが鳴った。
急いでブレザーの袖に手を通しながら玄関の扉をあけると、貴大が立っていた。
貴大『はよ、少し早く来すぎた。』
そんな貴大に抱き着いた。
空葉『おはよう、丁度準備終わったとこ。』
口は動かすものの、抱き着いたままピクリともしない空葉に貴大は抱え直して抱っこした。
貴大『あきの部屋入ってもいいか?』
律儀に部屋の入室許可を取る辺り紳士だなと思う。
空葉『ん、大丈夫。』
片手でドアノブを捻り、中に入った。
そしてそのまま抱っこした状態でベッドに腰をかける。
貴大『で、どうだった?』
空葉『相手は会社の上司…というか社長さんで20歳すぎの子持ちだった。』
貴大『社長?!…子持ちって、性別は?』
空葉『男だけど、養子なんだって。』
貴大『少し複雑なんだな。』
空葉『新しいお母さんは凄く凛としてて綺麗だったの。
でも息子の方は意地悪で口も悪くて僕と同じ激しい猫かぶり。背は高くて顔も整っていて…腹立つよね。』
そんな僕に貴大はフッと笑った。
貴大『最後の方は褒めてんな。』
うっ…
空葉『…僕さ、傍から楽しそうに話してる3人を見てた。
いい家族になれそうだなって…父さんもしあわせになれるって。でも僕が想像した将来には僕は居なかった。
あの中に僕は居られないんだ。』
涙こそ流してはいないが、空葉の声音には悲痛な思いが見えた。
貴大『そうか…でもな?陵さんには幾ら奥さんができても、あきが居ないと生きている意味が感じられないのは お前が1番知ってるだろ?』
空葉に語りかけるように話し、明るく言った。
貴大『その猫被りの新しい兄貴がお前には素で接したという事は気に入られたんだろ。』
問うとずっと黙っていた空葉がか細い声で返した。
空葉『気に入ってくれたかな、でも連絡先くれたって事は…。』
貴大脳での中にいる空葉の体が緊張気味になる。
それを怪しく思った貴大はもしかして…と考えが浮かんだ。
貴大『お前、惚れたのか?』
そう聞くとビクッと体が震えた。
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