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何となく家には帰りたくないから…と近くの図書館に入る。
特に読む気もないが、本を手に取り椅子に腰を下ろした。
周りには小さい子からお年寄りまで、幅広い人がちらほら見える。
本の頁を適当に開き、ただボーッと眺めてはつくえにふせていた。
うぅ…寂しい。
でもみんなはそれが当たり前だから、寂しくても我慢するんだろうな。
なんて当たり前のことを考えていると目の前に誰かが座る。
チラと視線を寄越すと、バチりと目が合ってしまった。
『ふふ。』
僕に笑いかける相手を見て思うのはただ一つ…
誰この人。
空葉『…?』
何なんだろうと首を傾げると口を開いた。
『つらそうな顔をしてるから大丈夫かなぁって。あ、僕は決して怪しいものでは無いよ?
本が大好きな大学生です。』
空葉『僕そんな顔していました?すみません…』
自分の好きな場所で、そんな負のオーラを漂わせていたら誰でも嫌だろう。
僕は何をしているんだか…
謝って立ち上がろうとしたら止められた。
『待って待って、僕は嫌な事何もされてないよ?
ただ僕と話して気を紛らわすことが出来たらなぁなんて…』
アタフタと、帰ろうとする僕に気を遣ってか励まそうとしてくれている。
空葉『僕と話してくれるんですか?』
なんか嬉しくて僕は微笑み返した。
『勿論!』
空葉『じゃあ少しだけ…ありがとうございます。』
僕が椅子に座り直すと、嬉しそうに笑ってくれた。
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