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俺はいわゆる母子家庭だ。
父親は俺が小学校入学の頃に事故で死んだ。
ほとんど顔は覚えてないけど、優しくてよく公園で遊んでくれたこととかは覚えている。
母さんは、俺と兄貴を養うために一日中働いてくれたからか、何年か前に身体をこわし、週2日のパートが限界になった。
兄貴は地方の大学に行ったため、今は一緒に暮らしていないが定期的に仕送りをしてくれている。
そんな母さんと兄貴の負担を少しでも減らしたくて俺はバイトをしている。
今は、はたっちの実家でもあるカフェで、ほぼ毎日働かせてもらっている。
前に働いていた店は給料も安く待遇も悪かったので、
見兼ねた智治がここを紹介してくれた。
智治は俺の事情を知っているから、色々気にかけてくれている。本当に感謝してるし、そういうところを見るとますます惚れてしまう。
誰にでも優しいその優しさに、勘違いしてしまいそうになるが。
智治とはたっちが幼馴染なのもあってか、智治はよく
カフェで勉強したり、たまに手伝ったりしている。
俺は智治のカフェの制服姿が好きなので一緒に働くことを密かに楽しみにしている。
なんていうか、智治の制服姿は色気がやばい。
フェロモンむんむんで、えろい。
同じ男か疑うぐらいだ。
はたっちは俺が智治を好きなのを知っている唯一の友達だ。はたっちもカフェを手伝う時があるため、そういう時とかに色々話を聞いてもらっている。
大体流されてるけど…
今日もバイトだけど、はたっちは副主将になったので最近は来れていない。
今も2人でメニューを話し合ったり忙しそうだ。
正直……………妬ける。
まぁ、しょうがないんだけど。
俺がヤキモチを妬いたところで智治が俺に振り向くことはない。智治には可愛い女の子が隣にいるのが似合っている。
これは智治にとっては迷惑な気持ち。
墓場まで持っていかなければならない想い。
いつか、「あのとき好きだったな」と笑える日が来るのだろうか。
それは、いつになるのだろう。
「尚!待たせたな、そろそろ戻るか。」
そう言って笑う君が俺は好きなんだ。
友達でいいからそばにいたい。
「おお、すっげー待ったわ!早く戻ろーぜー」
ちゃんと「トモダチ」の顔で笑えているだろうか。
今日も、俺は嘘をつく。
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