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逃げ場なんてないんだよ
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ガラガラガラッ─────
教室のドアがやかましくなる
ドアの向こうから入ってくるのは遅刻したというのに堂々としている男
葵…
一瞬にして教室が静まり返り
全ての目線は葵に向かう…
『葵君じゃーん、おはよ?かな、スッゴいハメられてたね~』
咲良が楽しそうに葵に話しかける
「何で皆知ってんの……』
『そりゃあ知ってるよ?コレに映ってたし』
咲良は黒板、いや、普通は黒板の場所を指差す、今はスクリーンでさっきまで何か映されていたような画面表示になっている
「……そ、ゆうことか…」
『あれぇ?あんま良い反応しないなー』
俺は屈しない、どうでもいい、何であろうが
『咲良ぁ、あんまり苛めちゃ駄目よ、苛めがいなくなっちゃうじゃない』
『椛だってノリノリで見てたじゃねぇかよ』
あ、なんだ皆に見られてたんだ…
別に良いよ、お前らがホモみたいに見えんじゃん
『兄弟でヤっちゃうとかまじ笑えんだけど…』
は………?なに言ってんだ、昨日撮ったやつじゃねぇのかよ…
『義理じゃないの、気にすること無いわよー』
「ちょっと待って、何言ってんだよ…昨日、撮ったやつだろ……?」
俺は心なしか声が震えていた
有り得ない、まさか俺の部屋に隠しカメラが設置されてたなんて…
誰がそんなこと…
『超可愛かったよ、僕、興奮してオナっちゃった』
「なっ!何だよそれ!俺に何しろって言うんだよ!」
怖い、怖い怖い…分かってる…
けど…怖い
『クラス全員の性処理、頑張ってくださ~い』
「………は?」
『は?じゃない、早くしろよ』
咲良の声がいつもより低くなる
怖い…俺はそんな衝動だけで何も考えずにその場から走って逃げた
『おいっ!待てよ!』
『ハハハッでも逃げ場ないよね、家に帰っても抱かれるし、勿論学校でも、それに昨日掲示板に無修正で載せたから外に出ても抱かれる可能性は0じゃないんだよねハハッ』
『どーせ、あそこだろ…』
『俺、わかりやすい子は好きかな?』
もうお前のいる場所は分かってんだよ
第二体育倉庫……だろ?
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