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この人なら……
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「どこだろ…ここ?」
俺は隣の県にまで来てしまっていた
ここは俺が住んでるところよりももっと栄えていて、夜の10時だというのに人が絶えない…いくら金を持ってきていたとしてもたかが高校生だ、泊まれる金なんて無い…
ここは一か八か、知らない人に泊まらせてもらおう…その決心が今となれば後悔しか残らない結果になっていた
『もしもし?えぇー?亜優ちゃん今日駄目なのぉ?』
『いらっしゃいませー!今日は50%OFFですよー!!』
『そこの君ー!風俗とか興味ないー?』
『結構です。』
『おじさんが今日のお相手ー?』
『そうだよーひひひっ』
『どこに目つけてあるいてんだ?あ″ァ?』
ここの奴らは馬鹿みたいなのが多いな…
泊めてって言ったらすぐ泊めてくれそうだ
あ、アイツにしよう、真面目そうな眼鏡だ…
「あのっ!少し良いですか?」
『………何ですか?』
「あ、の……」
出てこない…なんて言えばいいのかな?
『援交とかですか?興味無いですよ…』
「ちっ、ちがぅ……」
男の人の顔が段々怖くなっていく
「1日だけでいいんで…泊めて、くれませんか…?」
『はぁ?初めて会った人を何故泊めなくてはいけないのですか?』
声を荒げて言われる…怖い、知らない場所で、知らない人に…
ダッ───────
『ちょっ!きみっ!』
俺はその男の人の元から走り去ってしまった
走っていたら裏路地みたいなところに着いた…
『ねぇ、君ぃー』
一応人はいるみたいだから近くの公園でも探して行くかぁ…
『ちょっと聞いてんの?』
絡まれてる人可哀相だな…
『オイッ!』
グイッ──────
肩を掴まえ男の方へ向かせられる
「誰…?」
俺はこういう相手には馴れてる
中学時代よく合ったからな…
『君さぁ、援交とか興味ない?』
「キモ、てか酒臭…」
『あ″ぁぁ?』
ヤバ、口に出てた、
バッと腕を振り上げられる
殴られるッ!
『警察呼びますよ……』
えっ…?聞いたことのある声…
『あ?誰だテメェ…』
『俺のツレなんで、帰りますよ』
その男は案外簡単に俺から離れた
「あ、さっきの…」
さっきは俺のことボロクソ言ってたのに…良い人、なのかもしれない…
『葉月だ、よく覚えておけ、礼はきちんと返してもらう』
葉月さん…この人は俺の存在を知らない、この人なら俺を助けてくれるんじゃないか…
『今日、泊まっていっても良いですよ』
思いがけない言葉に少し戸惑った…
嬉しい…ここ数日感じていなかった感情がここで初めて感じれた
「あ、ありがとうごさいます!」
俺は勢い余って声を張り上げたため、視線がコッチに突き刺さる
『なっ!五月蠅いですよ…』
少し驚きながら頬を染め眼鏡を中指で押し上げている姿は男の俺からしても惚れ惚れするような雰囲気を漂わせていた
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