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葉月の思惑
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『着きましたよ…』
家は高級マンションの最上階、俺は場違いだと、そこならへんの家具を見ながら呟く
『どうしてこんなところまで?』
雰囲気かな、話し方かな、ヴェイにぃと似ていて落ち着く…
『聞いてますか?』
「あっ!はい、何でしたっけ?」
はぁ全く君という人は…とブツブツ言いながらも教えてくれる…
ヴェイにぃと似ていて落ち着くなんて思ってはいけない…何故似ていると思ってしまったのか自己嫌悪しながら葉月さんの質問に答えることにした
「大したことないですよ…」
『はなせない事情があるんでしょう、検索はしませんよ…』
葉月さんは自分のと葵の飲み物を両手で持ち、葵に飲み物を手渡した
「優しいんですね…葉月さん」
この人につけ込もうと思った、そうしたら俺は帰らなくて良い、葉月さんは俺を理解して、葉月さんの事も俺は理解出来ると思っていた
『そんな事ないですよ…』
フッと笑いながらカップに入った飲み物を飲む葉月さんは俺をジッと見つめた
「何ですか…?」
『いいえ、何も…それはそうと、早く風呂に入ったらどうです?今日は汗も沢山かいたでしょう』
「いや、でも葉月さんの家なので、葉月さんが先に…」
丁寧な言葉遣いが移ってしまう自分を、心の中で笑っていた
『葵君程、汗はかいてませんよ、さぁ、早く』
流されるまま俺は葉月さんより早く風呂に行った
「あれ?俺、葉月さんに名前教えてたっけ?まぁ、いいか名札でも見たんだろ…」
葵はまだ知らない、これから起こる恐怖と、名札には名字しか書いてないことを
『服はここに置いときますね…』
ザーーーと、シャワーの音に紛れ葉月さんの声が聞こえた
「ありがとうごさいます…」
少し驚いてしまった、葉月さんの声がさっきよりも艶っぽくなっていた…
葵の犯される前は必ず相手の声音が変わる、それを知らずにチャポンと音をたてて心底幸せそうに風呂に浸かる葵には教えてあげないと誰かが言ったような気がした
「はっ!?」
洗面所に用意されていたのは新品のバスロープ…
「俺バスロープなんて着たこと無い!!」
『どうかしましたか?』
「え、いや…って!なに入ってきてるんですか!!」
葉月さんは俺の驚いた声につられて入ってきてしまった
「バ、バスロープ以外にありますか…?」
『無いですよ、嫌だったら制服で寝るしかなくなりますけど』
制服でなんか寝たらシワになるってヴェイにぃが言ってたな…シワになったら困る…いや、困ることねぇじゃん俺はこの街で暮らすんだ、あの学校にはもう戻らない
『ふふっ、嘘ですよ…浴衣ですけどどうですか?』
なんだ…あったんだ、良かった
「じゃあ、それ借りて良いですか?」
『ええ、勿論』
俺はすぐに浴衣に着替え、葉月さんは寝ていて良いと言ってくれたので、布団に潜り込んだ…
『こんなすぐに引っかかるなんて、葵君…後で気持ちい事、しましょうね…』
葉月は一人、リビングで酒を片手に妖艶な笑みを浮かべた
それを葵は知らない…
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