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檻
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一瞬の沈黙があった、だけどそれを司会者らしき人物が沈黙を破った
『家に帰るのはなしっていいましたよねー?055様がお怒りになる前に違うお願いをしてくださーい』
やっぱり…じゃあ
「学校に、また通ってもいいですか?」
その時会場が湧いた、俺を嘲るような笑い声、意味が分からない…
『クククッ、いいよ、通わせてあげよう』
良かった…学校から家は近い…
寄り道をしていたと言って帰るのもいける
『さぁ、もう帰ろうか…』
手をまわされ、肩に手をおきオジサンの方へ抱き寄せられた
怖い…
吐き気がする、気持ち悪い
『君の初めての男になれるなんて光栄だよ』
嫌だ…初めてはせめてもっと違う人がよかった…
嫌だ、怖い、助けて…
俺は泣いてしまっていた、泣き声もあげずにツゥッと頬に温もりを感じた…
帰り道は覚えてない
『ついたよ…ここが君の新しい家だ』
デカい、逃げ場なら沢山ありそうだ
『そうだ、言っておくけど…逃げたら君のお母さんがどうなっても知らないよ?』
「!!…わかってます」
わかってた筈なのに…母さんの名前を聞くと足が竦む
家に入って一つの部屋に連れて行かれた
ここがお前の部屋だとかなんとか言われた、だけどここは部屋というよりも牢屋
その部屋には沢山人がいた
まだ小学生低学年ぐらいの子供が震えていたり
俺と同い年ぐらいの人が俺を含め3人、
1人は泣いていて、帰りたい、帰りたいと呟いていた
もう1人の子は外を見ていたが、その目には何も映されていないかのように絶望しきっていた
高校生の人は…
執事らしき人に犯されていた───
声を殺して鳴くその姿に他の人は怯え
執事はその皆の姿を見て腰を振り続けていた
気持ち悪…最悪、こんなところ来たくなかった、臭い、臭い臭い!!
『ねぇ、お兄ちゃんも…買われたの?』
いきなり震えていた小学生が話しかけてきた、俺は戸惑ったが応えを待っているようで
「うん…」
とあまり気のない返事をしてしまった
『そっか…お名前は?』
本当に小学低学年か?と思うほど、人の悲しみを自分のことのように思ってくれる子だった
「俺は水島葵…君は?」
『あ、葵さ、ん…?』
え?俺はこの子をはじめて見たのに、お久しぶりですと言って泣き出した
「お、俺は!!君が思ってる人の、子供だ…」
それを言うとその子は泣き止み、お礼がしたいのですがと言った
しかし俺は生憎帰れない、俺1人で逃げ出せたとしてもこの子は行けない
だってこの子には右足がない…
中学生の2人だって泣いている子は右手、外を見ている子は左手
高校生は左足、こうやって逃げ出さないようにしてるんだ…
なんて鬼畜な野郎なんだ…
「ごめん、俺も帰れないから…本当にゴメンね…君の名前は?」
『いいです、分かってたことですから…
俺ですか?0です』
ゼ…ロ?外人?なワケないか…
『本名は笹木誠です、七爾様に0にされました…』
最悪…
体のパーツ切断するわ、名前まで変えられるわ、横暴すぎる
『んっ、んぅぅ…た、すけてっ…』
高校生が泣きながらこっちに助けを求めてきた、だけど助けられるはずもない
『ハッ、0、こいつ助けたらお前の全パーツ切断して売ってやるよ』
誠君は俯いたまま何も言わなかった
完全に奴隷だ…
『ひうっ、ふっ、くっ…』
ガシャガシャと喧しく鳴る檻の音と喘ぎ声と罵声のみで支配されたこの檻には誰一人人間の心を持ったものはいない…
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