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始まりの始まり (遥side)
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俺たちはもうすぐ、大学を卒業する。
慎太郎と一緒にいたくて選んだ大学。
一緒にいたすぎて、2年の頃にルームシェアを始めた。
流石に学部は違うけど、それでもこの4年間、ほとんど俺たちは一緒にいた。
4年間どころか、小学校の時に出会って以来ずっと、1週間以上離れたことないくらい一緒にいる。
俺は慎太郎が好きだから、ただそばにいたい一心でここまでやってきた。
慎太郎の親友として、幼馴染として…。
でも、これから俺たちは社会人になる。
流石にもう、そばにいるのも限界だよな…。
「―か、おい、遥」
「え、あ、ごめん、考え事してた。何?」
「お前は就職決まったのかって聞いたの」
「あぁ…いや、まだ…」
「お前、まともに就活もしてないだろ。いつまでも学生気分ってわけにもいかないんだからな」
「……」
分かってる、分かってるんだそんなこと、俺が一番。
「はぁ…。お前さ、夢とかないわけ?」
「ゆめ…?」
「そ、夢だよ夢。将来やりたいこととかさ。そんなのが一個でもあればちょっとはやる気も起きるんじゃねぇの」
「夢か…」
俺の夢、か…。
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