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2時間後、目を覚ました男を見つめ微笑んだ
「おはよう」
「ここは・・・って!何だよこれ」
「俺は約束を守る男だから」
「えっ・・・だからあれはさ」
「確認したよね?」
「だけどっ!」
そして優しい微笑みは消え、悪魔のように笑いながら言った
「死にたいんでしょ?死にたいのなら君をどう扱おうと自由だよね?」
「死にたくないってっ!冗談だからさ」
「世の中には生きたくても生きられない奴がいる」
「だから何だよ」
「そしてここには生きる事を諦めた人間がいる」
「ふざけるな!」
「だけどその死体を必要としている奴らもいる」
「えっ?」
「お前は死にたいと言った、だから俺は引き受けた」
「やめろよ・・・何を」
「そして君は死んだ後に感謝される」
「ごめんって・・・やめて・・・死にたくないよ」
「俺はね、嘘つきのお願いを聞いてあげる程優しくないから」
「お願い!殺さないで・・・捕まるよ?」
「そろそろ時間みたい・・・夢の続きを永遠に見るといい」
「嘘だろ!おいっ!ふざけるなよっ!!」
冷たい表情で目をそらし、部屋を出た
「約束のものです」
「確かに」
「では」
札束の入ったカバンを受け取り、ビルを出た
そう、俺の仕事はいらない体を売る事
死にたいと言った時点でその体は必要なくなる
だから必要な奴らに売るだけの仕事
頭がおかしいって?
そんなのとっくにわかってる
でもね、簡単に死にたいなんて言う奴らが悪いと思わない?
後悔しても遅いんだよ
俺と約束を交わした時点でもう死んだのと同じ事
気が変わったって逃がさない
生きたいと言う希望なんてどうでもいい
そのまま適当に車で走り、小さな施設の前に鞄を置いた
そう、これからの未来の為にこの金を使えばいい
「ただいま」
「お疲れ、また金を?」
「必要ないでしょ?」
「まぁね」
「少し休んだら?」
「そうする」
大金を失っても責められる事は無い
幻蝶はそう言う奴だから
金なんて必要以上にあっても邪魔なだけ
「今回はどうだった?」
「いつも通りかな」
「やりたい事をやらせたら死にたくないって事ね」
「うん」
「死にたいと口に出せば死神が寄って来るのにね」
「だね」
「いや、お前の場合は悪魔か・・・」
「当分仕事はしないから」
「了解」
「おやすみ」
「ああ」
そしていつものように眠りにつく
黒いシーツに包まれて闇の中へ落ちて行く
俺の心は死ぬまで闇に閉ざされたまま、光が降り注ぐ事は無い
だって、親も売った俺だから
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