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バタバタしていたけれど、
18時に何とか約束のお店まで着いた。
美佐子ママは先についているようで、
案内してもらい部屋に入る。
「お久しぶりです、美佐子さん」
怜斗は美佐子ママのことをさん付けで呼ぶ数少ない人。
それだけ信用しているってことなんだろうな、とか親になった目線で喜んでしまう。
「あら、相変わらずいい男だこと。
変わりない?」
「変わらないですよ、強いて言うなら髪が黒くなったくらいで。
いつも紫之がお世話になってます。」
爽やかな笑顔を美佐子ママに向けている。
「そっちの方が似合ってるわ。
仕事の方は順調?」
「ええ、ぼちぼちです。
でも、今があるのは本当に美佐子さんのおかげです。感謝してます。」
「そんなことないわ、あなたの頑張りが認められたのよ。」
静かに微笑み合う2人を見ながら、
お似合いだよなぁこの2人、とぼーっとしていたら
2人がくすっと笑った
「どうしたの、紫之。
緊張してるの?」
「まるで借りてきた猫状態だな。
さっきまであんなギャーギャー言ってたのに笑」
2人からそんなことを言われて覗き込まれる。
「いや、うんん、
なんか2人てすごいお似合いだなあ、と。
オーラがあるわ。」
「なあに?それ、、私からすれば
怜斗と紫之の方が断然お似合いだわ。」
うふふと笑いながら美佐子ママが言う。
「いやあ、俺なんか軽くヒモだもん笑
はっ!俺、怜斗と釣り合ってないかも、、、ふぇえ」
泣き真似をする俺をみて怜斗がバカかとツッコミを入れてくれる。
なんか、楽しい。笑
そのまま、美佐子ママのおすすめ料理を堪能しながら近況報告をしあった。
驚いたことは、美佐子ママに彼氏ができていたこと。
美佐子ママは10代の頃付き合っていた男性からDVを受けていた過去があり、
その人との間にできた子供をおろさざるを得なくなったらしい。
銀座に来てからは、男性は商売道具としかみていないと、強かな様子だったから本当に驚いたし
そんな信用できる人と出会えたことが、まるで自分のことのように嬉しかった。
「私の話は沢山聞いてもらったわ。
で、2人の方は順調なの??らぶらぶなの??」
ニヤニヤと試すような目でこっちをみている美佐子ママ。
少しドキっとした自分。
喧嘩もしてないし、順調だと思う。
3年目の時みたいにギクシャクしてないし。
毎日、一緒のベッドで寝てるし、、。
なのに、あの時の方がマシだったかもとか、、
何でだろうか、、こう、、順調です!!と胸を張って言えないのは、。
でもこんなこと言うのは怜斗がいない時の方がいいよなとか、考えていると
先に怜斗が口を開いた。
「順調と言うか、、なんと言うか、、
もう家族みたいなもんですから。そこんところは笑」
家族、、か。
すっごい嬉しい言葉なのに、何故か心にすとんと落ちてこない。
「まあ、もう8年だし。もともとそんなにラブラブじゃなかったし、、ね?」
同調するように、そう付け加えて、怜斗と目を合わせた。
「あらま。
あなたたち、これから生涯一緒にいるつもりなんでしょう?
たった8年で、こんなにクールになるなんて!」
少し声が大きくなった美佐子ママ。
こんなに乙女な美佐子ママみたことない。
なんか、可愛いなぁ、。
いつもは綺麗だけど、、今日はなんか、可愛い。
俺、今初めて女の子になりたいと思ったかも。
「ははっ、美佐子さん。
それでも、ずっと俺はこいつといますよ。
大事にしてますから。」
微笑み、いつものように俺の頭にポンと手を置いた。
嬉しい。
嬉しいけど、苦しい。
嬉しいけど、寂しい。
なんか、情けない気持ちになってきた。
この場にいることが苦しくて、
「ちょっとお手洗い」
そう言って逃げてトイレに逃げた。
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