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水面下
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「優光様、お忙しいところ大変申し訳ありません」
「いや、気にしなくていいよ
それより、何か動きがあったのか?」
「実は、光成様が美晴様の周囲を嗅ぎまわっておりまして、接触するのも時間の問題かと…」
男の話を聞いた優光はこうなることを予想していたかのように男に素早く指示した
「吹上、あの人を美晴さんに近づかないように見張って」
「かしこまりました」
吹上と呼ばれた男は黒縁眼鏡をクイっと上げて一礼すると去って行った
吹上が去ったあと優光は深いため息をついた
自分の父が晴の母を狙っているという状況に呆れと憎悪と寂しさと色んな感情が入り混じる
今に始まったことではなく物心ついた時から知っている
晴の父が死んだ時も晴の母から喪報で知らされた時
始めは父が泣いているのだと思った
しかし、部屋が暗かったことや顔を手で覆っていたことで分かりづらかったが、それは確かに〝笑って〟いた
今でも思い出すだけで不快な気分になる
晴と晴の母の平和を壊すようなまねは絶対にさせない
と心に誓う
「はぁー」
そして、気持ちを切り替えるべくもう一度ため息をつくと
いつもの優雅な笑みを浮かべて学校へ向かった
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