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♢⒉
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「おうおう返事も聞かずに開けるのがそちらさんの礼儀なのか?風紀委員長さんよ??」
「フンッ、お前が私に礼儀をとなえるなど片腹痛いな」
「あ"?んだとてめぇ」
入ってきて早々蓮と言い争っているのは、
蓮と同じく、抱かれたいランキング一位であり第28代目風紀委員長、夕闇 要(ユウヤミ カナメ)だった。
身長186cm
鴉の濡れ羽色のような髪は綺麗に揃えられ
冷たい瞳で他者を圧倒しながらも、何事にも真面目に取り組む姿に憧れる者や見惚れる者も多い。
そんな彼も蓮と同じく王の器があった。
ついたあだ名は【帝王】
毎回言われるのは「帝王様罵って!」
この学園の生徒はMしかいないのだろうか…
少し将来が心配である。
「それより、まだこちらに来てない書類があるんだが?」
「あ"?なんのやつだ」
「この間の件の備品請求書だ」
「チッ会計か!」
あの野郎、帰ってきたらぶっ殺す…!
物騒な事を考えながらも、会計の席にあるはずの書類を探していた蓮だった
が、…ふいに思う。
…こいつなら、いけんじゃねぇか?
要は風紀委員長をしている為か、はたまた前からなのかガタイもいいし体力もあるし、何よりタッパがある。
こんなお得な物件そうそうないだろう、しかし相手は犬猿の仲とも言われる風紀委員長
さて、どうするか…と引き出しを漁っていると出てきたのは探し求めていた物とーー
ーデカデカと媚薬と書いてある玉薬
おいおい、良いのかこんな危険物を机の引き出しに入れて置いて…。
チャラチャラな会計に密かにそう思うが、これはラッキーかもしれない。
これをあいつに飲ませれば…
思い立ったが吉日、蓮はすぐさま見つけた書類を戻すと要に振り向き作戦を決行する。
「どうやら会計の奴、書類をどっかにやっちまったらしい」
「なんだと…?」
「あぁ、他の役員の方も見てみるから茶でも飲んでろ」
それに要は怪訝そうな顔で蓮を見ていたが、蓮は素知らぬ顔でお茶を入れに、奥にある給水室に入る。
手早くコーヒーを二つ入れると、片方に先程の玉薬をコーヒーに入れよくかき混ぜる。
よし、見た目は普通のコーヒーだ
中身は全然違うがな、とほくそ笑むと要の待つ部屋へと戻りコーヒーを渡す。
ジッと自分が持つコーヒーを見つめる要に、冷や汗をかきそうになるがなんとか平然とした態度で書類を探すフリをする。
いけクソ風紀委員長!と願いながらチラチラ見ていると、要が蓮に視線を向けた。
「…お前は飲まないのか?」
「あ"?先に書類探さねぇといけねぇだろうが」
速まる鼓動になんとか冷静に蓮はそう言ってやると、要は変な顔で蓮を見つめた。
「…お前、頭でも打ったのか?」
「あ"?打ってねぇよ」
「そうか、ついに頭までイかれたか」
「(ブチッ)んだとてめぇ!!」
失礼な事をほざく要に元々短気な蓮がキレる訳もなく、ヅカヅカと要に近づき襟首を持とうと手を伸ばしたその時だ。
ーズルッ
なんと、会計の机の上にあった書類がいつの間やら足元に落ちていたようで、その上に足を乗せてしまった蓮は見事に滑ってしまい、後ろに倒れていく。
ヤベっ…!!
衝撃に耐えるように目をギュッと瞑った蓮だったが、一向に衝撃がこず驚いて目を開けてみると…
「まったく…生徒会長ともあろうお前が何をしている」
日頃から見てきた憎くて堪らない男前な顔立ちが目の前にあり、目を見開く。
どうやら蓮が倒れる前に、要は自分の方へ引っ張り上げ助けたらしい。
「…チッ、別に助けてほしかった訳じゃねぇ」
「ほう?私が一歩腕を引くのが遅かったら無様に転けていたのにか?」
「うるせぇんだよ!さっさとどーー」
ーガチャッ!
「ただいま?…あ、れ?」
蓮が離れようと要の胸に手を当てた時だった前触れもなく扉が開いて先程話していた会計が入ってきたのは。
急な第三者に、思わず固まる二人に会計はすぐに状況を把握してニヨニヨと笑いながら
「あれぇ??俺お邪魔だった???」
爆弾発言を投下した。
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