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「お前…っ、話が違うぞ」
「えっ、何の話ですか。触りたいんですけどダメですか」
「ダメに決まってるだろっ」
聞いてるくせにお構いなしだ。
大型犬の如く懐きながらグイグイ伸し掛かってくる身体を必死に押す。
が、あっさりと手首を捕まえられた。
そのまま頭の上で抵抗する手を片手でまとめ上げられる。
「あれ、なんかこれじゃ強姦しようとしてるみたいっすね」
「みたい、じゃなくてそうだろうがっ」
「俺別にそういうプレイも嫌いじゃないですけど」
「プレイじゃなくて本気で――っひ」
ベロリと舌で耳をなで上げられた。
生々しい感触に、顔がドカッと熱くなる。
「みーちゃん耳も感じるんですか?真っ赤になっちゃって可愛いです」
「い、嫌だ…っ」
柔らかい唇に耳朶を食まれ、むず痒い感覚に頭を振る。
連絡先も教えて、球技大会の試合も結局見てやったのにどういう仕打ちだ。
だがしっかりと捉えられた手首は解放されること無く、七海の唇が耳を滑り首筋を撫でる。
もう片方の手でシャツのボタンを器用に外され、剥き出しになった鎖骨に強く吸い付かれた。
「――っ」
ピリっとした痛みが走る。
だがそれは一瞬で、唇が離されるとその顔が持ち上げられる。
どこか熱を持った七海の目が俺の首筋を凝視していて、熱い指先が鎖骨を撫でた。
「…何して」
「…え?ああ。早く俺のものになってほしいなって」
「いやその前に今お前は何をしている」
遊び心溢れた子供の顔をしながら、楽しそうに引き抜いた自分のネクタイで手首を縛られる。
おい、噓だろ。
「だってみーちゃん暴れるじゃないですか」
「強姦されてるんだから当たり前だろう」
「してませんよ。ちゃんと愛ある行為ですっ」
「俺に愛は無――」
言葉の途中で、唇を塞がれた。
どうせネクタイくらいすぐ力で外せるだろうと思っているのに、全く外れない。
結び方まで手慣れているとか、一体コイツの性生活はどうなっている。
そうこうしているうちに、呼吸を奪うようなキスに頭がくらりとしてくる。
「…ん、ちゃんと鼻で息してくださいね」
頭で理解しているのに、身体が追いついていかない。
何度も口内を嬲られ舌先や唇に吸い付かれて、苦しくてまるで溺れてしまいそうだった。
唾液が口端から滴り、目がとろりと潤む。
「…っは、大人しく出来ていい子ですね。時間も無いんで、一緒にしましょうね」
ぼんやりとしていたら優しく微笑まれ、髪を撫でられる。
ズボンを摺り下げられ下着の上からそれを撫でられて、ゾクリと背筋が震えた。
「あれ、もう勃ってますよ。溜まってました?」
「……っ」
カッと羞恥に身体が熱くなる。
いちいち報告してくるな。
キスされただけでこんな事になっているとか、もう考えるだけで居たたまれない。
「…っあ」
下着の上から、ゆるゆると性器を扱かれた。
手を縛られているせいで、為す術もなくひたすらに目を閉じて唇を噛みしめる。
「下着汚れちゃいますね。ほら、透けてきた」
言われて目を向けると、ボクサーパンツに濡れた染みが広がり押し上げるそれがうっすらと透け始めている。
もう言い訳のできない光景に、頭が痛くなりそうだった。
不意に七海の手が離れていったと思ったら、ズボンのチャックを引き下げる音がした。
「な、何を…っ」
「一緒にするって言ったでしょう。こうするんです」
そう言って七海は俺の下着も摺り下げる。
外気に曝されたソレは完全に勃ちあがっていて、既に先端からとろりとした液が滴っていた。
そこに、取り出した七海の性器が当てられる。
どう見ても俺より質量のあるソレを視野に入れて、全身が羞恥で熱を持った。
「こ…この変態っ」
「え、褒めてます?ありがとうございます」
「褒めてな――っん」
擦り付けられて、息を詰める。
互いの性器を目に入れて、今更だが男同士なんだということが嫌という程分かってしまう。
「…っ本当は挿れたいですけど5限目数学なんで。みーちゃんまだ慣れてないですし」
そう言われて、ハッと気付く。
昼休みが終わったらまたこいつの顔を見ないといけないのか。
こんな事をされた後なのに、どの面下げて授業しろというんだ。
「…っあ」
互い合わせになった性器をピッタリとくっつけられ、同時に扱かれる。
直接伝わる相手の熱に、足の付け根からビリビリとした疼きが込み上げる。
「あっ――んっ…っく」
「は…っ。やべ、すげー気持ちいい」
どこか余裕がないように、七海の言葉から敬語がなくなる。
だがそれを咎める余裕など、俺にだってあるはずがない。
「…っみーちゃん、こっち見て」
「…んっ、なに――」
直視しないよう顔を背けていたが、言われて視線を合わせると眼鏡を引き抜かれた。
コツンと額を合わせてから、唇を重ねられる。
どう考えても犯されているというのに、堪らない気持ちよさに理性が崩れていく。
時たま唇を離されて顔を覗き込まれるが、もう抵抗する言葉は出てこなかった。
こんな事をされているのに向けられる視線は酷く優しくて、コイツの愛情が伝わってくる。
「…っん、七海…っ」
手を解いてくれと身体を揺らす。
七海はそれに気付くと、驚くほどあっさりと縛っていたネクタイを外した。
解いてくれるのか。
「すみません、痛かったですか?忘れてました」
「…っはぁ、もしかして…お前って全部素なのか?」
「えっ、どういう意味ですか」
キョトンとした瞳が返って来て、俺は潔く理解する。
俺を好きだという言葉も、強姦まがいの行動も、普段の人懐っこい真っ直ぐな笑顔も。
何か含みがあるわけではなく、その全てが本心なのだと気付く。
良くも悪くも真っ直ぐすぎるほど真っ直ぐな奴で、ただちょっと性癖がねじまがっている。
「…っもういい、早くしろ」
そう理解したら、ほんの少しだが警戒していた気持ちがなくなった。
自由になった手を七海の手に重ねる。
ここまでしてしまったら、もうすることをしないとお互い終われない。
「ん、一緒にイキましょうね」
嬉しそうに目が細められて、仕方ないなと俺は目を閉じた。
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