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「んー…っ、やめ…あッ…っく」
「は…声聞きたいです。我慢しないで」
「……っ」
必死に唇を噛んで漏れ出る声を我慢する。
後ろから七海のモノを受け入れて、ガツガツと腰を揺さぶられる。
なぜまたしても俺はこんな目に合っているのかというと、昼休みにいきなり数学準備室に足を踏み入れてド直球に「ヤりたいです」と盛ってこられた七海になし崩しに犯された。
男の性器を中に受け入れるのは二回目なのに、一度覚えてしまった快感に身体はすぐに応えてしまう。
「…みーちゃんてホント、感じやすいですよね。まあ嬉しいんですけど…心配になります」
「んっ…あ…な、何言って…」
ボロリと生理的に溢れ出る涙に、後ろから覆いかぶさってきた七海が口づける。
何度もちゅ、ちゅと音を立てて吸い付かれて、目元がとろりと落ちる。
気持ちが良くて、何も考えられない。
七海に触れられた箇所が、堪らない疼きに変わっていく。
「…みーちゃん、俺以外の人とは絶対にしないでくださいね。もし他の人としたら、許しませんよ」
その言葉と同時に大きく腰を動かされて、一際高い声が漏れる。
他の人どころか七海とだってこんなことをして堪るかと思っているのに、身体は驚くほど素直に快感を受け入れてしまう。
白むほど噛んでた唇を開かされ、七海の指が入り込んでくる。
「ちゃんと返事出来ますか?気持ち良くて答えられない?」
耳元で囁かれて、ぶるりと背筋が震えた。
言葉なんか紡ぐ余裕はなく、あっという間に気持ちが煽られて突き抜ける快感に意識が浮く。
もうダメだ、と達しそうになったところで不意に動きを止められた。
「――あ…っ?」
限界まで昂ぶりきっていたそれを急に握り込まれて、達しそこねた身体がビクビクと苦しげに震える。
「先に返事、聞かせてくださいね」
「…っあ、あっ…七海…っ」
堪らず頭を振ってその名前を呼ぶ。
頭上で荒々しく熱い呼気が吐き出されて、机の上で拳を作っていた手に指先が絡められた。
「…ね、みーちゃん。俺としかしないって約束してくれますか?」
優しく髪を撫でられて、耳に吸い付かれる。
甘ったるい声に脳が蕩けて、じわりとまた涙が滲む。
どうしようもなく熱を吐き出したい身体が俺の理性を奪っていく。
「…や、約束するから…っ。だから早く…っ」
ああ、俺はなんてことを言ってしまったんだ。
言ってから酷く後悔したが、変わりのように快感を与えられて頭が真っ白になった。
「…お前って誰にでもこんなことしてるのか?」
「えっ、ひどいですよっ。みーちゃんにしかしませんっ」
ぐったりと机に頬をつけて、隣に座る七海を見上げる。
俺から奪った眼鏡を手で遊ばせながら、さっきの色気はどこに行ったんだというレベルでムキになっている。
今更怒りも呆れも通り越して、いっそコイツのことを知ってやろうかと少し聞いてみたわけだ。
多少なりともコイツのことを知れば、こんな奇行を取る解決策に繋がるかもしれない。
「お前が本気なのは分かった。だが随分手慣れているだろう。こういうことを今まで何度も繰り返してきたんじゃないか?」
「あれ、ヤキモチですか?」
「…お前が生徒じゃなければ殴ってるぞ」
イラッと目を細めたが、七海はニコッと無邪気な笑顔を俺に向ける。
「そうっすねえ。思い返しても元運命の人はたくさんいますけど」
なんだその元運命の人というのは。
運命の人に元も現もあるのか。
「…ならさっさと次の運命の人とやらを見つけに行け」
「何言ってるんすか。次なんていませんよ。運命の人はいつだって一人でしょう」
ポカンとした顔でそう言われた。
やはり俺にはコイツの考えが全く分からない。
それともこれが今時の若者の考えなのか。
「信じてください。俺はみーちゃんしか見てませんよ」
優しい手付きで腰を擦られる。
が、再び意図した手付きで撫でてきたから、慌てていい加減にしろとその手を払う。
若者の考えにも体力にも、全くついていける気がしない。
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