アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
89
-
急くように抱きしめられて、耳に口付けられる。
あまりに近い呼吸音にゾクリと背筋が震えてしまう。
いつもはどこか余裕な表情で人を翻弄するくせに、今日に限っては焦るように七海の手が俺の身体を掻き抱く。
こんな玄関先で、まさか二人きりになった瞬間求められるとは思ってもいなかった。
あっという間に頭がパニック状態になり、俺の許容範囲を超えていく。
「ま、待てっ。少し落ち着け…っ」
「俺に触られるのは嫌ですか?まだ俺を受け入れてくれませんか?」
ピタリと動きを止めて、鼻先数センチの距離で七海が俺に問いかけてくる。
力強い視線を寄越されて言葉に詰まってしまう。
いつもなら俺が何を言ったって問答無用で身体を欲しがり犯すはずだ。
だが今問いかけている七海は、身体よりも俺の言葉を欲しがっているように見えた。
嫌なはずがない。
受け入れていなければ家まで来るのを許すはずもない。
俺はもう七海を一生徒とは見られなくなっている。
だがそれを全て認められるほど、俺の性格は寛容でも適当でも器用でもない。
何も言えず視線を彷徨わせる。
「…やっぱりまだ足りないんですかね。もっと俺に夢中になってもらわないと」
どこか冷たくなった言葉と共に、顔を無理やり上向かされる。
強引な仕草に息を飲んだが、あっさりと眼鏡を取り上げられそのまま唇を塞がれた。
唇を割って入ってきた舌が口内を蹂躙し、無遠慮に人の舌を絡め取る。
髪の毛に手を差し込み、後頭部を押さえつけるようにして唇を食まれる。
「――っはぁ、い、息が出来な…」
苦しくて目の前の身体を押し返そうとすると、その手を取られて壁に押し付けられた。
荒々しいキスは俺の呼吸を容赦なく奪い、頭を酸欠にさせていく。
唇を吸われ、舌を押し込まれドロドロになるほど絡ませられる。
最初こそ抵抗していたが、やがて身体の力が抜け腰がずるりと落ちてしまう。
七海は滑り落ちる俺の腰を支えると、ようやく唇を離した。
「…すげー色っぽい顔してます。俺以外何も考えられないですか?」
こんな状況で七海の事以外考えられるわけがない。
肩で必死に息をしながらぼんやりと七海を見上げる。
「みーちゃん、返事は?ちゃんと出来ますよね」
親指で唇をなぞられ、バクバクと鳴る心音を耳で聞く。
七海の目が言葉を強要するように細められる。
有無を言わせぬ言い方をすることは前にもあったが、それでも今日の七海はやはりどこか様子がおかしい。
余裕なく身体を求められることもあるが、今日に関してはまるで焦っているみたいだ。
欲しいものが手に入らず、無理やり奪おうとしている子供のように見える。
「…ど、どうしたんだ。昨日何かあったのか?」
どこか苦しげなその顔に思わず手を伸ばす。
ハッとしたように七海が息を詰めたが、俺の手をグイと取りあげた。
そのまま身体を反転させられて、再び壁に押し付けられる。
「みーちゃん、俺返事が聞きたいって言ったんですけど。やっぱり身体から素直になってもらうしかないですね」
「――おいっ、七海…」
文句を言おうと顔を振り向かせると、ぴったりと背中越しに身体を付けてきた七海に再び唇を奪われた。
同時に伸びてきた手が俺のズボンを弄り、服の上から自身を撫でられる。
ビクリと反応したタイミングで舌先を吸われて、ビリビリと甘く身体が痺れてしまう。
七海の様子がおかしい事を聞きたいのに、手慣れた動きにあっという間に翻弄させられていく。
ベルトを外され、ズボンの中に入り込んできた手が直接俺の自身に触れた。
「……っ」
ゆるゆると快感を生み出すための動きをされ、ギュッと眉根を寄せる。
ダメだ。流されてはいけない。
「ほら、もう硬くなってます。気持ちいいですか?」
耳元で囁かれるその息遣いにすら身体が反応してしまう。
慌てて首を振って答えたが、不意にパクリと耳を食まれた。
ぶわっと頭の先まで紅潮し、堪らず甘い声をあげてしまう。
「…良かった。やっと可愛い声出してくれましたね」
「――っあ、ちが…」
いけないと思っているのに快感を与えられてしまうと身体が言うことを聞かない。
あっという間に七海の手が後ろへ回り、狭いそこを押し入ろうと指先が割れ目を撫でる。
「あ…っ、な、七海、待ってくれ。ちゃんと話を――」
「余計なこと考えないで。みーちゃんが俺のことしか考えられないって泣いて縋ってくれるまでやめませんよ」
それは最初に言われたものよりハードルが上がっていないか。
だが悠長に考える暇もなく、ズプッと押し入ってきた指先に身体が仰け反る。
声にならない悲鳴をあげたが、すぐに唇を塞がれてかき消されてしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 209