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番外編『新生活がはじまる』
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「――んっ、…は」
必死に声を抑える。
ダメだ。
絶対にダメだ。
声を出してはいけない。
俺のズボンの中に入り込んだ指先が、下着をずらし後穴を容赦なく弄ってくる。
抜き差しされる度に時たま水音が響き、もうバレるのではないかとビクビクしながら堅く目を閉じる。
さっきからずっと嫌だと、やめろと首を振っているのに、この男はちっともやめてくれない。
「…真っ赤になっちゃって可愛いです。羞恥プレイ大好きですもんね。身体が大喜びしてますよ」
「や…ッ」
小さく息を詰めたら、狭い車内で隣り合った女子大生が不審そうに俺を見た。
すぐに気にしていないように前を向いて、ホッと胸をなでおろす。
もしこんな事がバレたら七海の社会的地位が失われ…いや、俺のほうが間違いなく罪に問われる。
コイツと俺は准教授と大学生という立場であり、その実恋人であろうが社会的に見れば俺は七海を導き手本とならなくてはいけない存在だ。
俺を准教授として迎え入れてくれた大学のためにも、こんなところで快感に溺れて我を忘れる訳にはいかない。
「…っいい加減にしろ。ここをどこだと思っている」
「電車ですよ。ラブラブ登校中です」
「ここは公共の場所だっ。これ以上触るな」
「一緒に登校するの夢だったんですよねー。高校じゃ絶対出来なかったですし」
小声で必死にやり取りしているが、駅に着いて人が更に入り込んでくるともっと身体を押し込まれる。
電車の一番奥に追いやられて、七海がピッタリと身体を密着させてきた。
高校は徒歩通勤だったからこんなことに巻き込まれることはなかったが、朝の満員電車とは本当に凄まじい。
この先ずっとこんなものを体験し続けていくのかと思えば、早く引っ越しをしたいと切に願ってしまう。
それに電車通勤で暇さえあれば七海に痴漢される身としては堪ったものじゃない。
「…っふ」
後ろを解してくる指先は、さっきからずっとある一点を外している。
ジクジクと快感を知っている身体が、早くそこに触れて欲しいと悲鳴をあげている。
だが身体はそうでも心はそうではない。
そこだけはやめてくれと、こんな場所で快感に溺れてしまったらという恐怖心でいっぱいだ。
「そういえば大学でたくさん友達出来ました。バスケサークルにも入ったんですよ」
「…っく」
「あ、そうそう。みーちゃん講義でさっそく怒りまくってるから、あっというまにみんなにオニ眼鏡って言われ始めてましたよ。来たばっかりなのに眼鏡呼び浸透させるとかさすがです」
「…ん、ん…っ」
「でも眼鏡は絶対に取るの禁止です。ちゃんと旦那様の言うことは聞いてくださいね」
なんでもない世間話をしているようでいて、その指はずっと俺の中を弄り続けている。
肩を震わせながら必死に堪えているが、もういい加減限界だ。
七海は俺の様子を見て取ると、クスリと小さく息を漏らして耳もとに唇を寄せた。
「みーちゃん、人前でそんなトロ顔晒しちゃダメです。痴漢が見たらあっという間に犯されていっぱい種付けされちゃいますよ」
「お、お前が…っ」
まさに今痴漢されているんだが、コイツにとって自分の行動はそれには入らないんだろうか。
グリグリと腰に硬いものを押し付けられて、堪らず意識して中の指を締め付けてしまう。
「…そんなに締め付けて嬉しいんですか?俺以外の人に犯される妄想なんてしてませんよね」
「し、してない…っ。してないから…」
七海以外にこんなことをされてたまるか。
必死に首を振ると、機嫌を良くしたように七海がニッコリと俺に笑う。
嫌な予感がした。
「そうですよね。みーちゃんと両思いで嬉しいです。ご褒美あげますね」
「――っ」
不意にずっと外していた一点をグリグリと刺激される。
堪らず声を上げそうになるが、既の所でもう片方の七海の手に唇を塞がれた。
凄まじい快感が頭の先まで突き抜けて、身体がビクビクと震える。
ギュッと口を押さえつけられているため声が上がらなくて助かったが、これでは本当にただの痴漢――いや、強姦魔だ。
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