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「なんだよガッカリって」
「その金髪にピアスはタダの飾りってわけか!攻め的ルックスをして私を騙してたわね!」
モモの責め立てに幸太は、
「別に騙してねーし!」
と膨れっ面で反論する。
「受けばっかは要らないの!アンタは却下ね」
「却下って?」
「これからの話に幸太も出そうかと思ったけど、受けは要らないの!」
「え~、何だよソレ!」
そんな下らない二人の会話を余所に、英雄氏達は味噌チゲを平らげていた。
***********
ブブブッ、ブーッ、
携帯のバイブで東雲は目を覚ます。
手探りで携帯を捜し、手に取る。
眠い目でなんとか携帯の表示を見ると、部長と表示されている。
「…もしもし…」
寝起きの声で対応する東雲の耳に飛び込んで来たのは、
「しーのーのーめぇ~」
低い聞き覚えのある声…
表示された携帯の主の部長の声とは違うモノで、それは…
「会長!」
一瞬で眠気が覚める声だった。
「俺の電話にはワンコールで出ろって言ってるだろーが!」
部長の携帯を使ってるのにそれは無いだろ?なんて理不尽さにイラッとも来るが、そんな事なんて通用しないのが彼。
「ワンコールで出なくて申し訳ありません」
と悪くもないのに謝らなくてはならない。
「今から10分以内に会議室に来い!」
それだけ言うと電話は切れた。
電話が切れた後、茫然なんてしていられない。
いくら寝起きで頭が回らなくても即行動しないと間に合わない事を知っているので、東雲は既に立ち上がり用意を始める。
周りにモモ達が無造作さに寝転がって熟睡している上を跨ぎながら何故かパンツ1枚だった自分の姿に考える余裕もなく、服を着る。
財布を手に部屋を出るまでに電話から2分弱。
会議室までには間に合わないとは分かっているが、諦めて時間を大幅に過ぎるより、兎に角…10分以内を少しでも過ぎない事に集中しないと命がないのだ。
車なんて持っていない東雲の会議室に着いたのは10分を少し過ぎていた。
「しーのーのーめぇ」
会議室のドアを開けた瞬間に名前を呼ばれた後に力強いパンチが東雲にヒットした。
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