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誰かの温もりに優しい手がずっと側にあった、そんな感覚を覚えたまま、東雲は目を開けた。
視界に映るのはシンッと静まる部屋。
誰か側にいたような感じがあったのに、部屋には東雲だけ。
寂しい。
無駄に広い部屋。
寮の部屋は小さくて、うるさいアイツらが騒いでうるさいけれど、凄く懐かしい。
たった1日しか経ってないのに、随分と会ってないような寂しさが押し寄せてくる。
だから、病気になるのが嫌なんだ。
誰か…側に居ないとダメになりそうで泣きたくなる。
カチャッ、
ドアが開いて照哉が顔を出した。
「おう、目覚ましたか?具合どうだ?」
そう言いながら側に来て額に手を当てた。
凄くホッとした。
照哉の顔を見た瞬間に凄く安心した。
「やっぱ、直ぐには下がらないよなあ…」
まだ熱い額。照哉は氷枕を変えようと東雲の頭の下から枕を抜く。
「待ってろ、氷枕変えてくるから。」
東雲はその場から離れようとする照哉の服の裾をとっさに掴む。
「ん?どうした?何か欲しいのか?」
優しく微笑む照哉に、
「ひとりに…しないで」
と潤んだ瞳で訴える。
ずっきゅーーん。
なんだ、この可愛い生き物は?
東雲にはハアハアくると言っていたモモと幸太の気持ちが分かる!ヤバいくらいに分かる!
あああ、コイツぜってぇ小悪魔要素持ち合わせていやがる!
萌通りこして、ぶっちゃけやりたい!
ようやく大人しくなった下半身が激しく騒ぎ出す。
ヤリタイヤリタイ、と自己主張。
「す、すぐ戻るから」
落ち着け俺!
自分に言い聞かせながら掴んだシャツから東雲の手を離す。
「やだ…」
東雲は掴まれた手に力を込める。
ちょ、マジ?
なに?マジでコイツやべえ!
可愛すぎだろーがー!
「どうしたい?」
照哉が聞くと、東雲は起き上がりしがみつく。
神様…俺を試してますか?
「東雲、んな事したらチュウするぞ!」
理性を失いそうな照哉は精一杯悪態をつく。
「そばに…いてよぉ」
そう言うと東雲の体から力が抜けて、寝息が聞こえてきた。
寝ぼけてたのかよお!
照哉はガッカリしたのであった。
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