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「し、失礼すます!」
緊張気味に幸太は挨拶をする。
夕べ、会長に凄まれた幸太は玄関で既に固まっていた。
「失礼すますって日本語か金髪よ?あっ?」
会長が幸太に迫ってくる。
ガクブル…
いま、自分の置かれている立場を文字で表すなら、ガクブル…。
「すみません、会長がイケメン過ぎて幸太、緊張してるんですよ」
ユウヤが助け舟を出す。
「相変わらずビビりだなあ、お前」
会長は鼻で笑うとリビングへと入って行った。
「ありがとうございます」
幸太はホッとした顔でお礼を言う。
「早く上がれよ。」
「い、いいんですか?」
「会長が帰れと言ってないんだから良いんじゃない?」
ユウヤの言葉に恐る恐ると玄関で靴を脱ぎ、部屋へと上がる。
広いよなあ~。
夕べもチラリと見て、そう感じた。
会長って独身の1人暮らしなのに部屋は3部屋もあるし、キッチンもカウンターだし、めっちゃオシャレじゃないか?
キョロキョロと周りを見る幸太に、
「なんか田舎から出てきたオノボリさんみたいだな」
とユウヤは笑う。
「だ、だって広いし…金持ちだなあって」
「今更?ブラックカード所有する人なのに」
「そうですよね。俺なんてまだクレジットカード自体持ってないです」
「マジで?なんか見た目と反するよなあ」
ユウヤは可愛いと言って幸太の頭を撫でる。
こ…子供扱いかよ?なんてムッとくるけれど、頭撫で撫では嫌いじゃない!
東雲さんにされたい!
そんな妄想をしながら東雲が寝ている部屋へと来た。
「幸太、お前インフルエンザ感染すんぞ…それにユウヤまで居るし」
部屋の入り口に立つ2人に照哉は少し驚いたようだ。
「照哉、久しぶり~。俺は予防接種してるよ。幸太は東雲のインフルエンザなら感染しても良いんじゃない?」
ユウヤは幸太の背中を押して前に出す。
「東雲さんは?」
心配そうにベッドの側に来た幸太は東雲の様子を伺う。
「薬効いて寝てる」
「熱下がったんですか?」
「まだだな。あまり辛そうなら座薬…」
「ざ、座薬はダメです!」
照哉の発言に幸太は叫ぶ。
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