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「モモ!」
幸太達がドアを開けると、
「あ、調度良かった、誰かシンジの上に跨がってよ」
モモは入って来た3人に視線を向ける。
ベッドには手錠で繋がれ、口をガムテープで塞がれたシンジが涙目で助けを求めている。
その横でデジカメで写真を撮るユナ。
「モモー!東雲さんに禁止されてただろう!」
「いいじゃん東雲居ないしぃ~シンジ喜んでるし」
モモは同人誌のネタやイラストの構図に困ったらボーイを使いエロい構図をさせ、スケッチしていた。
新人の頃、幸太達もやられていた。
「モモちゃん言ってくれたらモデル俺やるのに」
ユウヤは笑いながらシンジの手錠を外す。
「自ら立候補するなんて、さすがドMね。」
モモの目は輝く。
「会長に開花させられたもん」
ユウヤは何故かドヤ顔。
やっぱ、S同士が関わると弱いSはMになるのだな、と幸太は学習した。
解放されたシンジはモモを遠巻きに見る。
危険性なモノから逃げるように。
「これからはモモの誘いに乗っちゃダメだぞ。」
幸太はシンジに念を押す。
「掃除終わったですよ」
英雄氏は得意げな顔で言う。
「じい、一緒に居たんならシンジ君助けてやらなきゃダメだろ」
幸太は怒るが、
「シンジ君は喜びよったですよ」
英雄氏はそう返す。
確かに、シンジは喜んでいた。
「まあ、可愛い女の子が部屋に居て、手錠とか出したら変なプレイ出来ると期待するよな、新人君、可愛い女の子には注意だよ、はい、それじゃ部屋出て待機」
ユウヤは部屋から全員を出す。
「大丈夫?」
健太はシンジを気遣かってくれる。
「大丈夫です」
そうとしか言えないのが本音。
めちゃくちゃ恥ずかしい!
シンジはもう辞めたくなった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
照哉はうとうとしていた。
ほのかに匂う美味しそうな匂いに目を覚ます。
視界内に映るベッドに東雲の姿がない。
ソファーから立ち上がり部屋を出た。
キッチンから物音が聞こえ、まさかと思うがキッチンへ向かうと、
料理をする東雲の姿。
「こら、病人が何やってんだ」
照哉の声に東雲は振り向く。
「料理作ってるけど?」
「そりゃ見れば分かる、寝てろって言いたいんだよ」
照哉は東雲の横に立つ。
「熱ないし、大丈夫です。それに照哉さんお腹空いてるんじゃないかと」
マジ?俺の為?
東雲の言葉にニヤケてしまう。
「熱さがっても体力落ちてるだろ?」
「だから食べるんですよ」
東雲はニッコリと笑う。
確かに…と照哉も思い、テーブルに食器等を置いていく。
「東雲の作る飯は美味いからな。あいつらも食べたくなってる頃じゃね?」
「英雄さんからチゲ飽きたってメール来てました」
「ユナはチゲばっか作るからな」
照哉は笑いながら言う。
「できました」
そう言って東雲は照哉の方を向こうとして目眩を起こす。
「東雲!」
照哉は慌てて東雲を抱き止めた。
「だから言わんこっちゃない!ほら座れ」
照哉は椅子を引き東雲を座らせる。
「ちょっとフラついただけです」
こんな時東雲は頑固になる。
「はいはい、そうだな。後はやるから座ってろ」
照哉も馴れているので、そう言う。小さい子供の相手をするような態度に東雲はムッとして、
「本当に大丈夫なんですってば!」
と反抗する。
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