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「先輩、どこの出身なんですか?」
シンジは笑いながら聞く。
「博多ですばい」
「福岡ですか?」
「おおっ、凄かですね。福岡って分かるとですか?」
え~と、馬鹿にされてるのかな?
シンジは思ったが単純そうな英雄氏に悪気はないと思った。
「あの、俺が母親と会っていたのは他の人に内緒にして貰えますか?」
シンジのお願いに、
「良かですばい、恥ずかしかですもんね、母親が様子ば見に来たとか、嫌ですもんね」
英雄氏の言葉でお金を渡していたのは見られていないとホッとする。
「ところで先輩は何をしに?」
「ああ、忘れとったです、雑巾買うて来いって言われてたとです、いかんばい!また、金髪が威張って怒るです」
英雄氏は慌てたようにコンビニに入る。
雑巾?
シンジは外で英雄氏を待つ。
待つ事、数分…英雄氏が戻る。
しかも袋がパンパン。
そんなに雑巾を?と袋を覗く。
「廃棄のオニギリとかですばい、あそこの店長は良か人でしてね、ようオニギリとかくれるとです」
英雄氏は嬉しそうに袋を見ている。
「良かったですね」
あまりにもニコニコ笑うので、シンジは笑顔でそう言った。
「メケメケの分もあるとですよ」
「は?」
メケメケ?
福岡の方言だろうか?
「私が可愛がいよる猫ですばい」
「メケメケって名前なんですか?」
「メケメケ・ニャンケローズ・2世ですばい」
「名前ながっ!」
思わず、突っ込む。
「メケメケと呼びよるです」
寮の近くに来ると、
にゃーん
猫の鳴き声。
「こいがメケメケですばい」
英雄氏はシンジに猫を紹介する。
「へえ、可愛い」
シンジが近付くとメケメケは足元に来る。
撫でると腹を見せる。
「メケメケ、餌ですばい」
英雄氏が近寄ると、
シャーっ!
牙をむき威嚇する。
あれ?
「可愛がってるんですよね?」
「照れ隠しばい。」
ぷっ、
シンジは笑いを必死にこらえた。
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