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東雲、やっぱ…お前が好きだ。
空耳じゃないよね?
照哉に言われた言葉が頭から離れない。
好きって、
恋愛の好き?
友情の好き?
東雲はずっと、その事を考えていた。
「しーのーのーめぇ」
真後ろから会長の声。
途端に背中が寒くなる。
「病人は寝てろって言ったよなあ?俺に逆らうのか、あっ?」
東雲はキッチンで料理を作っていたのだ。
「いや、あの、その、もう大丈夫!大丈夫なんです!」
東雲は振り向き弁解をする、が、
会長の手が伸びてきて、つい、ビクンとなり目を瞑った。
殴られる!
そう覚悟した。
「いきなり目を閉じるたあ、キスでも待ってるのかお前は!」
と会長の手は東雲の顔にいくと、顎を掴まれて、そのまま上に上げられる。
「ちょ、ちが、違います」
東雲は慌てて目を開ける。
「キスくらい減るもんじゃねーだろ?」
会長のもう片方の手は東雲を引き寄せる。
か な り や ば い !
東雲は逃げたくてたまらない。
「や、あの、俺、料理中だし」
かなりテンパって逃げる理由を捜す。
「料理終わったら、食っていいのか?」
「えっ?それは、それは嫌です!」
殴られるのを覚悟して、東雲はそう言った。
「ち、腹減ってんのよによう。じゃあ、誰に作ってんだ?」
「へ?」
東雲はキョトンとなる。
「へ?じゃねーよ、その雑炊の事だよ」
「えっ?あっ、これは照哉さんに」
あれ?食うって料理?
東雲はてっきり自分をだと思い込んでいたが、どうやら違うらしい。
「照哉?病人に飯作らせてるのかアイツは」
会長は舌打ちする。
「いえ、照哉さん熱があって」
「熱?」
「はい。…あの、会長…そろそろ離してください」
東雲の背中に回された会長の手、キスをしそうに顎を上げられたまま。
なんだか…このまま食われそうで怖い。
東雲の心の声が聞こえたかのように、
「お前はまだ食わねえから安心しろ」
と言われ、ようやく解放された。
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