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柔らかい唇に触れた。
軽いキスなのに感じる。
髪を撫で、おでこや頬にもキスを落とす。
どうしよう。照哉さんのキス、気持ちいい。
チュッ、チュッ、とリップ音が東雲の耳に届き、恥ずかしいけれど、気持ち良さに酔いそうだった。
軽い感じのキスばかりなのが気になる。
深いキス……してくれないのかな?
なんて考えて顔が熱くなる。
「東雲、なんか息荒いぜ、キスに感じた?」
直球で言われて東雲は考えを見透かされたようで恥ずかしくて、
「照哉さんの馬鹿!」
と暴れ出す。
「暴れんな。」
押さえる手に力を入れた照哉はそのまま東雲の唇を塞いだ。
照哉さ………んっ、
口の中に照哉の舌が侵入してきた。
照哉さん、
キス………気持ち良いです。
何度も、何度も、深いキスをされた。
チッ、
いちゃつきやがって!
キスをする2人を屋上へのドアの隙間から見つめる会長。
「ま、いいか、いちゃつけるのも今の内だしな。」
会長はニヤリと笑う。
照哉、お前は絶対に自由にはしない………。
二人を残し会長はその場を離れた。
*******
「し、東雲さん!」
受付にぼんやりと座る幸太は嬉しそうに東雲を見つけ駆け寄ってきた。
「幸太、ごめんな色々と迷惑かけて」
駆け寄って来た幸太に東雲は頭を下げる。
「い、いいんです!東雲さんが元気になったんなら」
幸太は涙目だ。
東雲は会長のマンションから直で店に出勤したのだ。
「よお、幸太」
東雲の後ろから照哉が登場した。
「裏切り者」
ボソッと呟く幸太。
「んっ?何?」
聞こえなかった東雲は聞き返す。
「東雲さんにじゃないです」
幸太はキッと照哉を睨む。
「東雲さんに手を出しましたね」
「えっ!」
驚く東雲とにやつく照哉。
「あれだけ東雲さんを守って下さいってお願いしたのに」
幸太は照哉に詰め寄る。
「会長からは守ったよ」
「自分で手を出すって、どういう事すか?」
「だって幸太は会長から守れってしか言ってないだろ?」
「そんな屁理屈聞きたくありません!」
「ちょ、ちょっと待った!」
2人の間に東雲が入る。
「幸太、お前…照哉さんが手を出すとか、何言って」
東雲は正直テンパっている。
何で?
幸太はそんな事言うんだ?
俺が照哉さんとキスとかしたのを…………、
「東雲さんも、何で照哉さんの自由にさせてるんですか!キスとか!認めません」
拗ねた顔の幸太。
何で幸太知ってんだよおっー!
「お、おま、何いって」
ひーっ、
何で知ってんだよ!
「誤魔化せませんよ」
幸太はそう言うと携帯を出して2人の動画を流した。
「へえ、良く撮れてるなあ。俺の携帯にも送ってよ」
照哉は冷静に動画を見ているが、
「幸太!そんな動画は消せ!今すぐ消せ!」
東雲はテンパリストだった。
幸太から携帯を奪おと必死だ。
「会長かあ」
照哉は動画の犯人が直ぐに分かり口にする。
あの変態くそ野郎!
イラッとくるが、動画は頂くつもりだ。
「まあ、幸太もなあ…俺にとやかく言えないと思うぞ」
と照哉は携帯の中から動画を捜し出して再生する。
『幸太……』
『んっ……いや、ユウヤさん』
幸太は途端に顔が真っ赤になり、
「くそモモーっ!」
とシャウトした。
「えっ?幸太ってユウヤさんと」
東雲は動画をマジマジと覗き込む。
「うわあっ、東雲さんは見ちゃだめです」
幸太は慌てている。
「ユウヤとイチャイチャしてたんだろ?全部筒抜け、お前は俺を責められないよな」
照哉は幸太の額を指で弾く。
「痛、これはユウヤさんが無理やり」
弾かれたオデコをさすりながら弁解をする。
「首筋に腕回してるくせに?」
照哉はニヤニヤ。
幸太は耳まで真っ赤。
「そっか、幸太はユウヤさんと…良かったな」
東雲はニコニコしながら幸太の肩に手を置く。
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