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「ちが、東雲さん違います」
幸太はMAXで首を横に振りまくる。
「照れなくて良いよ、ユウヤさん優しいし」
「だから違いますってば!話聞いて下さい」
必死に弁解する幸太。
「東雲?何だよもういいのか?」
その必死な幸太の空気を読まないユウヤが現れた。
「ユウヤさん、すみません色々と迷惑かけてしまって」
東雲は深々と頭を下げる。
「いいよ、東雲も前にウチのボーイが飛んだ時に手伝いに来てくれたしな、お互い様」
ユウヤは微笑むと東雲の肩を叩く。
「……それにしても外見と中身が合わないよな東雲」
ユウヤは東雲をマジマジと見て笑い出す。
銀色の髪に会長見立てのスーツ姿。
前の東雲は黒髪にメガネ。
前髪は顔を隠すように長かったのに、短く切られ大きな瞳がユウヤを見ている。
「これは会長が無理やり…」
派手なのが苦手な東雲は迷惑そうな顔だ。
「似合うからいいじゃん、東雲は元々可愛いんだからさ」
「可愛いって俺男ですけど」
露骨にムッとする東雲は、可愛いと言われるのが嫌い。
「悪い悪い、そんな怒るなって」
ユウヤは笑いながら東雲の頭を撫でる。
が―、
「気安く東雲に触るなよ」
とムッとした照哉が手を払いのける。
「おっと、恋人の前で悪いな」
照哉に睨まれてユウヤは手を引っ込める。
「ちょ、ユウヤさん」
恋人と言われて東雲は顔が真っ赤になる。
知ってるよね?もちろんユウヤさんも…。
「ちょっと、東雲さん何赤くなってるんですか!何?照哉さんが恋人だって認めてるんですかーっ」
照れる東雲と他の男に触られて怒る照哉。
どう見ても出来ちゃっている感じ。
「そゆ事、だいたい幸太にはユウヤが居るだろ?なっ、ユウヤ」
照哉はユウヤに同意を求めた。
「何で知ってんだよ照哉」
少し驚くユウヤに照哉は動画を見せる。
「へえ~良く撮れてるなあ。俺の携帯に送ってよ」
自分とキスする幸太の画像。意外と萌えるよな。
「ちょ、消して下さい」
慌てる幸太。
「東雲との動画くれんなら消してやるよ」
「ちょ、それは消せよ幸太!」
と間に入る東雲。
「はいはい~、もっと動画欲しい人はモモちゃんに言ってね」
騒動の中モモ登場!
「モモてめえ!」
東雲と幸太の声がハモる。
「東雲おかえり」
怒る東雲にへっちゃらなモモはニコッと笑う。
「お、おう、ただいま」
怒っているのについ、返事を返す。
「東雲、オカエリ」
ユナも顔を出し、
「あー、東雲さんだー」
と健太も来た。
「英ちゃーん東雲だよ」
モモが奥に叫ぶと、
ガタガタと凄い音がして、
「しのめさん」
と英雄氏がバケツを片手に走ってきた。
馴染みの顔。
皆、笑顔で自分を待っていてくれた事が凄く嬉しい。
「ただいま。みんな、迷惑かけてごめんね」
東雲は頭を下げる。
「東雲ガ居ナイカラ寂シカッタゾ」
ユナは肩をパシパシ叩いて気にするなと言う。
「やっぱ、東雲さんじゃないとダメですよ。戻って来てくれて嬉しいです」
と健太。
「そがんです。しのめさんが良かですばい、部長はいっちょん来んし、金髪はしのめさんが居らん事なったら直ぐ威張るとですよ」
と、英雄氏はチクる。
「じい、何チクってんだ」
幸太が怒り出す。
「本当の事ですばい、えばりんぼうですもんね」
東雲が居たら止めてくれると英雄氏は分かっているから、ここぞとばかりに喧嘩をふっかける。
「殴るぞこらっ」
手を上げて殴る振りをする幸太を東雲は止めに入り、
「あ~、もうお前らいい加減にしろ」
と怒っているが顔は楽しそうだ。
楽しそうな東雲を遠巻きに見ながら照哉はその笑顔を優しい顔で見つめる。
「照哉、なんかお前雰囲気変わったなあ」
ユウヤはマジマジと照哉を見た。
「なんだよ?」
「前は無愛想でさ、今みたいな顔した事ないじゃん、そんな顔出来るんだな」
真顔で言うユウヤ。
「恋してるからだよね」
ウットリと何か妄想しているような顔のモモが会話に入る。
「照哉さんの辛い事や悲しい事、俺が全部背負います。だから俺の思いを受け取ってください…って覚悟を決めた東雲はベッドで服を脱いで、抱いて下さいって言う………やあん、もうたまらん」
モモは妄想を口にしながらニヤニヤ。
「あ、モモちゃん動画ちょうだい」
もう慣れている照哉と、
「俺も」
ユウヤ。
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