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会いたい
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「口開けろよ東雲」
「て、照哉さん、自分で食べれます」
食べさせて貰うのは恥ずかしいし、気が引ける。
「いいから、口開けろ!ほらっ」
照哉に促され、東雲は口を開ける。
久しぶりに味を感じた。
ここの所ずっと、何を食べても味がしなかったのに。
それに懐かしい味がした。
凄く美味しい。
照哉はゆっくりと東雲に食べさせてゆく。
「もう、いいです」
半分くらい食べた東雲は無理だと首を振る。
「半分しか食べてねえだろ!ちゃんと食べないと怒るぞ」
「本当にもう無理です……それに、すごく眠くって」
東雲は照哉の方へと身体を寄せる。
「東雲、ちゃんと……」
食べろと言おうとするが東雲は照哉に寄りかかったまま眠っていた。
倒れるくらいに体力が落ちているのだから仕方ないかな?
照哉は東雲をベッドへと寝かせる。
照哉さん好きっ、
東雲の言葉が頭でリピートされる。
自然と顔が緩む。
東雲も自分を好きだと分かった。こんなに嬉しい事はない。
照哉は食器を持ちキッチンへ。
「あいつ、ちゃんと食ったか?」
会長が珍しくキッチンにまだ居た。
「半分は食べた。まだ疲れてるみたいで、また寝たけどね」
「まあ、手厚く看病してやるんだな。店はユウヤと使えない部長で回すから東雲に体力つくまで仕事に行くなと伝えろ」
会長はそう言うと上着を手にする。
「どっか行くの?」
「明け方には戻る、それからお前もちゃんと飯、食えよ」
と照哉の頭をくしゃくしゃ撫でると会長は出掛けて行った。
もしかして、気を利かせた?
でも、東雲があの調子だからいちゃいちゃは出来ないしなあ。
照哉はとりあえず、食器を片付ける。
水を飲もうと冷蔵庫を開けると、
食えよ。と書かれた料理を見つけた。
いつもは灯が作るか外食だったのに、東雲にはお粥、照哉の分まで作っている。
鬼畜のくせに!
照哉はそう呟く。
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