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鶏雑炊
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side ちとせ
黙って背を向けているとかちゃかちゃと音がしていい匂いがしてくる
「おい、こっち向け」
「………」
「無視すんな」
「………」
意地でも向くものかと無視を決め込む
「はぁ…」
「…ぅぐっ」
ため息が聞こえ諦めたかと思った次の瞬間、グイッと鎖を引っ張られ無理やり新藤の方へ引き倒される
「げほっげほっ」
「無視してんな」
咳き込みながら睨みつけるがお構い無しに手元を動かす新藤の視線の先を追う
新藤はお椀とレンゲを持っていて、お椀の中には湯気のたつお粥?のようなものが入っている。ベッドサイドのテーブルの上には小さめの鍋がある
「ほら、食え」
ぐいと目の前に突き出されたレンゲには湯気のたついい匂いのお粥
だが大人しく従うのは癪でそっぽを向く
「…おい、いい加減にしろよ…」
さっきよりもトーンの低くなった声で言われビクリと肩を跳ねさせ新藤の方をちらっと見る
さすがにこれ以上怒らせるのはまずそうだ
「……それ、なに…?」
「鶏雑炊」
お粥じゃなく雑炊らしい
「…病人じゃないんだけど…」
「お前、昨日の昼から何も食べてないだろ。いきなりがっつりしたもの食べると消化しない」
そういえば昨日は晩御飯を食べていなかったなと思い辺りを見回し時計を探す
「え、11時…?」
もう昼前だ
2食も食べていなければ確かに雑炊くらいがちょうどいいかもしれない
「ほら口開けろ」
またぐいっと突き出されたレンゲが唇に触れて
「…っ!!」
熱い!!
何すんだと涙目で新藤を睨むとニヤリと笑っていて思い出す。あぁ、こいつはドSだった…
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