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「はい、どうぞ。」
にこにことして、僕のお箸と炊きたての白ご飯が少量盛られたお茶碗を僕の目の前に置く真希子さん。
「ありがとうございます。じゃあ、いただきます。」
そんな真希子さんに感謝の意を込めて、ゆっくりと手を合わせると、テーブルに並べられた品に手をつける。
まずは、僕の好物であるだし巻き玉子。
と言っても、真希子さんには僕の好物がだし巻き玉子だと話したことは無い。
何で知ってるんだろう…
もしかして真希子さんって…エスパーなのかな??
なーんて、
「あ、やっぱり最初はだし巻き玉子なのね!」
「ふぇ…?!」
僕が思っていたことに答えるように言った真希子さんに、驚きのあまり思わず変な声を出してしまった。
恥ずかしい…
「あ、あの。どうして僕がだし巻き玉子を好きってこと…」
「あら、そんなの見てたらわかるわ!」
え…
僕ってそんなにあからさまだったのかな。
厚かましいとか思われてたらどうしよう…
「だって心鈴くん、食卓にだし巻き玉子が出たら必ず1番最初に食べるんだもの。目をキラキラさせちゃってね!」
そ、そうだったんだ…
無意識って怖いなぁ…これからは気をつけないと。
「あの、気を遣わせちゃってごめんなさい。」
一旦箸を置いて、キッチンで作業をし始める真希子さんの方を向いて謝る。
すると、動きを止めた真希子さんは僕の方を見て少し哀しそうな顔をした。
あれ、僕…何か哀しませる様なこと言っちゃったかな。
どうしよう。
早く、
早く、謝らなくちゃ…
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