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序章1
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―……ミーンミンミン…
あぁ…
やけに蝉がうるさい……
こめかみの生え際
喉元から首筋まで
しっとりと濡れて気持ち悪さを感じる
それから指先に感覚が戻り
僕は重いまぶたを少し開けた
――見知らぬ天井
体がやけに重くて
息苦しい…
「……ゲホッ」
喉がカラカラで
粘膜がくっついてしまいそうだ
眼球だけを動かし
少しずつ回りを見てみた
「………」
部屋の角に小さな戸棚と灰色のロッカー
そしてそのロッカーに立てかけるように
沢山の野球のバットとグローブがあった
その近くには
脱ぎ捨てられた服が散らばっている
少し酸いた臭いがするのはそのせいだったのか……
少しずつ体に感覚が戻り
頭の中が現実を受け入れてくる
…だけど体が重くて
思うように動かなかった……
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