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家を出ていく準備を終えて出ていこうとした。
玄関を開けてふと外を見ると、どしゃ降りだった。
「傘もってねぇよ…」
俺は傘なんか持ってるはずもなく仕方なく、フードを被ってアパートに行こうとした瞬間、誰かに呼び止められた。
「どこに行くんだい?」
びっくりした。新しい父さんだった。
父さんは誰かの手助けがないと歩けないはず…
と思いながら父さんを見ると手すりを使って必死にここまで一人で来たのがわかる。息も心なしか切れていた。
「俺、今日からアパート行くんです」
「それは、僕がいるからかい?」
母さんを独り占めにして介護してもらっているんだからそう思ってしまっても仕方ない。
けど、今更あんな母さんなんてどうでもよかった。
「違いますよ、単純に社会勉強です。食費だってすごいかかりますし」
「君は若いのにえらいな…辛くなったら帰ってきなさい。
いつでも連絡しなさい、君のことはよく分からないけど本当に辛い時は大人か誰かに頼りなさい。
我慢すると自分の感情が分からなくなって壊れてしまうよ」
「大丈夫ですよ、ありがとうございます」
これが父さんとの初めての会話だった。
俺は雨の中走ってアパートに向かった。
向かってる途中誰かに腕を引かれる。今日はよく誰かに話しかけられるなと思いながらその先を見ると知らない男だった。
「誰…ですか」
「こんな雨の中そんな大荷物で傘もささずどうしたの」
「いや…だから…誰…」
「俺の家に来る?前みたいにまたしてよ」
この人話通じないのかよ…さっきから誰って聞いてんのに…
「忘れちゃったの?一昨日うちにきて相手してくれたでしょ?」
「あ…えっと、中島…さん?」
「そうそう!もう!忘れないでよ〜2回目だよ?」
どうやら俺のお客さんのようで、2回目らしい。2回目で覚えられるわけない。お客さんの中には何十回って来る人もいるんだから。
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