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桜と桃は仲が悪い
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「ここは、そういう場所では無いんですけど」
「そういう場所って?桜音行ったことあんの?童貞のくせに?」
「何回も言いますけど、俺は童貞じゃない。アンタの頭は物を覚える事も出来ないんですか」
バチバチバチ。
そんな効果音が付きそうな睨み合いが生徒会室では起きていた。
女子を膝に乗せて、キャッキャ言いながら書類をやっていたのは桃神 成親(ももがみ なりちか)。
顔は王子様のように甘いマスクをしているが、その実態は下半身ユルユルのチャラ男。
それに対して黙々と作業していたのは、桜音 昴(さくらね すばる)。
人形のように整った顔と、硬派でクールな印象が女子に受けている今注目の新一年生。
「桜音はお堅いんだよねぇ。女の子はこーんなに柔らかくて可愛いのに」
そう言って桃神は膝に乗せた女子の胸に顔を寄せた。
ちゅ、と軽いキスを落とされ女子は軽く喘ぐ。
それにますます桜音は眉間に皺を寄せた。
「アンタってそれしか頭にない可哀想な人なんですね」
「ムム、それは酷くない?俺はただ、女の子の期待に応えてあげてるだけなのに。ねー?」
全然応える様子のない桃神に、桜音はイライラが募るばかりだった。
静かに真面目に、集中してこの面倒な書類を終わらせたいのに。
他の生徒会役員は、桃神に対して注意しない。
それは彼が酷く優秀だという事が分かっているから。
チャラ男の癖に優秀なんて、矛盾してるだろ。
そんな気持ちが桜音の心の中で、暴れる。
いつかこのふざけた先輩に一泡吹かせてやる。
そう意気込むのもいつも通りの筈だった。
今日この日までは。
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