アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
ゴクリ。自室に生唾を飲む音がやけに響いたように聞こえる。それくらいに俺は神経を研ぎ澄ませていた。
こんな変態行為、例え自室でも安心出来ない。
いや、後ろを弄っている時点で変た⋯いやもうそれはいいっ!!
とにかく今は、この疼く熱を———。
そっと、ジャージに触れて匂いを嗅ぐ。
あの人の甘いような、紅茶の香りのような匂いがふわっとした。
「っぁ、うそ、もう——」
すぐに反応を示したそこを触ろうと手を伸ばした。
「昴、ご飯できたって言ってるでしょ!」
「う、わぁっ!!母さん!ノックしてくれよ!」
「しました!お母さんはちゃんとノックしました!⋯あら?それは洗うジャージなの?昴のとは違うみたいだけど」
突然入ってきた母さん。何たる親フラ。
そして話題は俺の手元のジャージに移る。
いきなりの事にアドリブなど効かずに素直に答えてしまう。
「⋯⋯先輩が貸してくれた」
「そうだったの。じゃあ洗って返さないとね。貸して、やっておくから」
「はい⋯よろしく⋯」
「じゃあさっさとご飯食べてね!」
「わかった」
何たる事。何たる悲劇。
俺の最後の希望さえ、阻止されてしまった。
この溜まりに溜まった熱は行き場を失っていた。
「それもこれも、あの人が悪いんだ⋯」
あの下半身ユルユル大魔王が、いけない。
そう思わなければやっていられない。
そのあと洗濯され、乾燥機にかけられ、アイロンまでされたジャージはすっかり俺の家の匂いになって返ってきた。
「これじゃあ⋯もう⋯」
がっくりと肩を落とすが、結局は遠回しに悪い事をしようとしていた所を阻止されるのは運命かもしれない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 122