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けれどどれだけまっても珠嘉がいよりの元に帰ってくることはなかった。
「いよりっ」
詠朔が乙藤家に駆けつけた時、家の中は騒然としていた
それも仕方ない、珠嘉と小戸森が乗っていた車が崖から転落して海に落ちたのだから
詠朔は出先で連絡を受けて飛んでやってきた
『無理心中だったんじゃないか?珠嘉さんは綺麗な方だったから』
『結婚間近だったのに…お可哀想に』
『死体はまだ上がってないって』
『終わったな、乙藤家は』
「…、……」
嫌でも大人達の心無い言葉が聞こえてくる
こんな言葉をいよりが聞いたらどれだけ心を痛めるだろうと詠朔はいよりの姿を探す
「!、詠朔」
「っ、静彦さん」
肩を叩かれて振り返れば静彦が立っていた、さすがの静彦も表情は険しくて詠朔はことの深刻さを改めて実感する
「い、おりは…」
「自分の部屋、澄久がついてる…ここは胸糞悪いし、いよりんの様子もきになるからオレらもそっち行こう」
詠朔は頷いて、静彦と二人でいよりの部屋に向かう
どうせ自分達以外にいよりを気遣う人なんていない。
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