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「…静彦さんも考えてますよね、心中だって」
「…あー……、…しゅかっちはさ、優しくて繊細な子だったから…今の立場に耐えられなかったのかもな、オレやお前と違って」
自分のためではなくて弟のために大人になりたい強くなりたいと言っていた珠嘉を静彦は思い出す
なのにその弟を置いていくなんて…そうまでして遠くへ逃げたかった珠嘉の気持ちがわからないわけではない、優しい珠嘉はこの醜い蹴落としあいには向かなかった
(こんなことを選ぶくらいなら……先にオレを頼ってくれればよかっただろ……いや、違う…しゅかっちがいよりんを置いてくなんて…きっとあいつが無理やり…)
小戸森が珠嘉に特別な感情を抱いてるのは一目でわかっていた
珠嘉の結婚が目前に迫り焦った小戸森は珠嘉が抱える苦悩を利用してそそのかしたんじゃないかと『心中』とは別の道を探ろうとする
「いよりがこれからどんな面倒事に巻き込まれるか…ゾッとするほど想像がつくのに心中を選ぶなんて、よっぽど愛し合ってたんですねあの二人」
「……、…」
本当にいけ好かない子供だと静彦は表情をひきつらせる
けど詠朔の言う通りこれからたくさん苦労するのはいより、あの容量の悪さと性格じゃ毎日泣いている生活が目に見えた
「僕にできるサポートをしていよりを守らないと…」
「…させてもらえるといーけどねー」
大事な跡取りを失った今がチャンスだと自分達の親は乙藤家を潰すゲスな策謀を巡らせてるところだろうから
せめてあと数日はいよりをただ静かに悲しませてあげたい。
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