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ちょっとずつ気づく日々
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kiyo side
髪をわしゃわしゃ泡立てながら、俺はさっきの事を考える。
……うん、絶対はぐらかされたよなぁ。
レトさんが見せた、あの何かを我慢したような顔を思い出す。
すごくすごく苦しそうだった。
何が、誰が、レトさんにあんな顔をさせてるんだろう。
………
わっかんね〜〜!!!!
いや、マジでわからなすぎる。
実況者の中では、レトさんのこと1番知ってるとかゆってたけど、前言撤回。
全然レトさんのこと知らないわ。
…なんかモヤッとする。
てか、なんか、悔しい。
俺が1番、レトさんのこと、知ってる筈なのに。
「…っくそ、なんなんだよ」
なんなんだよ自分。
肝心な時に役たたずだよなぁ。
てか、俺こんなにレトさんのこと大事に思ってたのか。
ちょっと自分でも驚きだわ。
まぁレトさんとはもう長い付き合いだし、俺にとって当たり前の存在、かけがえのない人では確かにあるよなぁ…。
でも、さっき見たあの唇をぎゅっと噛み締めてたレトさんにとって俺の存在は、ただの友達なのだろうか。
……いや別に俺だってレトさんのこと友達だって思ってるし別にレトさんがそう思ってくれてても構わないけど!!!!
…でも、だとしたら少し寂しいなぁって思う。
俺は、レトさんのことをすごく、
大切に思ってるから。
「キヨくーん」
突然風呂場の外からレトさんの声が聞こえて、俺は慌てて髪を洗い流していたシャワーを止める。
「なっなにレトさん!」
「寝巻き、持ってないでしょ?」
「あー…うん」
そう、こんなに実況が長引くと思っていなかったから、泊まる準備など何もせずにきた。
「俺のやつ置いとくからそれ使って」
「あ、まじ?さんきゅ!」
レトさんの服…
俺には少し小さめかもしれないなぁ。
そんなこと言ったら、本人に怒られそうだけど(笑)
泡立たせた髪をシャワーで流して俺は風呂場を後にした。
ドライヤーで髪を乾かしてる時、好きなアイドル、サッカー、シリーズ実況の事とかを考えてたけど、頭の片隅にはレトさんのことがあった。
いや、我ながらきもちわりー…
でも俺の脳みそはレトさんのことを否応なしに考えさせた。
……さっきのデレてるレトさん、可愛かった。
男に可愛いとかいうのはどうかと思うけど、いや、あれは誰だって可愛いって思うって!!!
だっていきなりだよ?いきなり「そゆとこ好きだよ」って…しかもそれをゆった時の表情がさ……
ほんとにやばかったんだよ!!!(語彙力)
なんてゆーか…今まで色んな人と出会って見てきた笑顔の中でいっちゃん綺麗だった。
元カノの笑顔なんかと比にならないくらい。
レトさんってあんなに綺麗に笑う人だったんだ、初めて知った。
『あ、もしかしたら彼女でもできたんじゃね?』
急にうっしーのあの言葉が脳裏に過ぎる。
レトさんに今彼女はいないと思う、多分。
でも、レトさんももう彼女ができて結婚してもおかしくない歳だ。
もしレトさんにそうゆう大切な人が出来たら、あの笑顔も彼女さんに独り占めされるのかぁ…
それはなんまら……
「嫌だ」
その状況を想像して、思わず言葉が零れていた。
嫌だ嫌だ嫌だ。
レトさんのあの笑顔をもっと見たい。
俺だけに見せればいい。
俺だけがあの綺麗な笑顔を見れれば良い。
………
……
…
あ、俺レトさんのこと、好きだわ。
友達じゃなくて1人の男として。
え、いや自分やばいだろキモいだろホモかよなんで今まで友達だって思ってた人のこと好きになるんだよえつまり俺はキスとかしたいってことレトさんとえ、え、え、え。
頭は混乱、心はぐちゃぐちゃ。
この気持ちは肯定するべきなのか、否定すべきなのか。
でも、
でも今はそんなことどうでもよくて、
ただひたすらに
今すぐにでも
レトさんに会いたかった。
俺はソファーに座っているレトさんの所に犬みたいにとんでいった。
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