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四番の髪が切り終わって、僕の番になった。
「あぁ、後ろは切りすぎないで。前髪はこう、斜めに流す感じ。ここの髪は切らないで残した方が似合うかな」
五番に指示を出しているのは、僕ではなく一番だ。僕は口を出すこと無く、押し黙っていた。
「なんでてめえが指図するんだよ。その長さなら、髪も大して切らねえじゃねえか」
一番が口を挟んだことに苛々したのか、五番の眉間に皺が寄った。ハサミを持ちながら、同じ顔だとは思えないほど人相の悪くなった五番を恐ろしく思う。
「久々に長い髪を切れると楽しみだったんだろうけど、六番にはこれが一番似合う。中性的でいいじゃないか」
「気色悪ィ」
五番はそう悪態をついて、再び僕の髪へ、手を伸ばした。その手先には態度から取れる荒々しさは無く、落ち着いた手際で髪を梳いていった。
髪が切り終わると、改めて五番に礼を言った。他の3人よりも髪の長さはあるが、女々しさはないような気がして、五番のセンスを感じる。
自分の要望通りになった僕の姿を見て、似合ってるよ、と一番が嬉しそうに微笑んだ。
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