アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9
-
祥馬と一緒に部活へ向かった。
今日の部活は紅白に分かれての練習試合。
一年でレギュラーを勝ち取った俺は、二年になってかもレギュラーから外れたことはない。
祥馬と同じ赤いビブスを着て、笛の音で練習試合が始まる。
練習試合の時はギャラリーが多い。
その情報はどこから収集するのか未だに謎だ。
黄色い歓声が聞こえてくる。
「瑛翔っ」
祥馬からのパス。
大きく外れて、思い切りネットの方へボールがいき、ネットに当たってガシャンと音を立てた。
「どこ蹴ってんだよ!」
「ごめーん!」
祥馬に一言文句を言い、ボールを取りに行く。
ネットの方へ近づくと女子たちが声を上げる。
「ごめん、祥馬が下手くそで。大丈夫?怪我してない?」
ボールを拾いながらネットの向こうにいる女子たちに声を掛けると、キャーッ!と声が上がった。
いや、大丈夫か聞いてるんだけど…
「大丈夫ー!」
「頑張ってください!」
「どーも」
笑顔を向けてからコートの方へ戻ると、背後から歓声が聞こえた。
「何言ったんだよ」
コートに戻ると祥馬から声を掛けられる。
「別に?」
「別にって…何も言わないであんなに黄色い声が上がるかっつーの」
「なんだよ、自分がモテないからって僻んでんの?」
「なっ!ちげーよ!」
ちょっと揶揄うと本気で返してきて、俺は思わず笑った。
そしてすぐに試合が再開された。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 276