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「へぇ〜神代って久城のことが好きなんだ?」
「っ…!!?」
突然聞こえてきた声にびくりと肩が震えて、顔を上げて辺りを見渡した。
一番後ろの、ロッカーの上にクラスメイトの鷹来(たかぎ)くんが座っていた。
どうしようと内心焦っていると、鷹来くんは笑った。
「あははっ、そんな顔しなくてもいいじゃん。ってか神代が入ってくる前から俺居たんだし」
確かにちゃんと確認しなかった俺が悪い。
でも、どうしてこんなところに…
なんて思ったけれど、そうだ。
鷹来くんはサボリ魔だ。
「また授業サボってるの?」
「それは神代も同じでしょ」
そうだった。何も言い返せない…。
カタンと音を立てて鷹来くんはロッカーから降りて、こちらに向かって来た。
俺は思わず席を立った。
これ以上、何かを詮索されるのは嫌だった。
さっきの独り言で話してしまったようなものだったけれど。
それに…
「どこ行くんだよ」
「いや、だって…」
鷹来くんはここ最近、祥馬の前の席ということもあり、祥馬と絡んでいるのを度々見かけた。
お昼だって、一緒に食べていることもあった。
「言ってたんだよな、久城が。あれって本当だったんだな」
鷹来くんが意味深な発言をした。
当然、気になってしまう。
でも…
「気にならない?」
「……」
「神代のこと言ってたんだけど」
俺が何も言わずその場に立ち尽くしている間に、どんどん距離は近づいていき、机一つ挟んだ所までやって来ていた。
祥馬は俺のことをなんて…
でも、俺は聞いて後悔することになる。
更に距離を詰めて、鷹来くんは俺の耳に唇を寄せた。
そして、囁くように言った。
「神代は男もイけるんだって」
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