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「誰彼構わずじゃねぇ。瑛翔にしかしてない」
その言葉が嬉しいことなのか、悲しいことなのか、俺にはもう分からない。
「やっ…ん、ふぅ…ッ」
鷹来くんの時みたいに噛めば、離れるかもしれない。
それなのに、そんなこと俺には出来なくて。
「んっ、祥馬っ、やだ!」
ドンッと力一杯思いっきり押すと、祥馬は離れた。
「瑛翔、受け身じゃなくて、応えろよ」
「嫌だ」
「…これで最後にするから」
「…っ……」
祥馬の表情からは何も読み取れない。
「な?瑛翔…」
「っ…本当に?」
「あぁ」
そして唇が再びそっと重ねられた。
とんっと唇が舌で叩かれる。
小さく口を開け、舌を伸ばした。
「ん…」
くちゅくちゅと唾液の混ざる音が耳に届く。
舌を絡み合わせ、吸い、吸われ、口内を隈なく舐められる。
「はッ…」
苦しくなって、ようやく唇が離れるとき、いつものように唇をペロリと舐められた。
「瑛翔、キス上手いんだな」
「……もう十分でしょ。離して」
掴まれたままだった腕に力を込める。
でも、祥馬は離してくれない。
「ねぇ…」
「やっぱり俺…」
ダンッ
「いった…!ちょっと、なに…?」
床に押し倒されていた。
打ち付けた背中が痛い。
傷がない方の首筋にキスをされた。
さっき見た光景が、頭に浮かんだ。
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