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祥馬は片手でネクタイを外した。
その姿に見惚れてしまった。
「何見つめてんだよ」
「んんっ…ふぅ…ッ」
口から手を離されたかと思えばキスをされ、両手を掴まれた。
「ん…っ」
ペロリと唇を舐められ、離れるといつの間にか両手首が祥馬のネクタイによって縛られている。
「っ、何これ…」
「お前抵抗するから」
「いやだっんっ!」
大きな声を出そうとしたら、キスをされた。
深くなっていくキスに、息も絶え絶えで。
そして…
「っぁ」
祥馬は意志を持ってそこに触れた。
「反応してるな。ははっ、気持ち悪」
「っ…だったらっ!」
投げ掛けられたそんな酷い言葉に、唇を噛み締める。
「でも、」
耳を舐められ、囁かれる。
「やめねぇよ?」
祥馬に俺の気持ちは、この先も分かることはないんだろう。
好きな相手以外と付き合いたくないと言ったのに、行為には及べるの?
好きじゃないから?
何の想いもないから、浮気ですらないって?
俺は祥馬の言葉に、何度傷つけられれば、強くなれる?
涙で視界が歪む。
「お前ほんとすぐ泣くな…」
馬鹿にするように笑いながら、祥馬は俺の涙を舌で掬った。
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