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ちょん、と触れるだけのキスをされた。
そして、顎を掴んでいた手は顎から首へと滑らされた。
首元でその手は止まる。
「っ!やだっ、やめっ…」
力が、少しずつ込められていく。
「っく、…苦しっ…しょぅ、…ま…っ」
俺は、何をされてるの?
じわじわと苦しくなっていく。
「くっ…は…ッ…」
足をバタつかせ、机の脚を蹴るもそんなものは無駄な抵抗で、両手も縛られたこの状況で逃げる術はない。
「っ…ぅ……離、し…ッ…」
どんどん絞められていく感覚に、身体からは力が抜けていく。
祥馬は無表情で俺を見下ろしている。
それがとても怖かった。
意識が遠のきそうなところで、パッと手が離された。
「ゲホッ…ゴホッ、ゴホッ…」
急に酸素が体内に取り込まれ噎せ返り、俺は溢れた涙を自分で拭うことすら出来ない。
「いいな、その顔」
そう言って笑った祥馬の目はどこかギラついて見えて、俺の涙を指先で拭った。
こんな祥馬知らない。
祥馬はいつだって、元気で、少し褒めるとすぐに調子に乗って、ふざけてばかりで、
でもすごく優しくて…。
「もっと、苦しめよ」
俺の知ってる祥馬はどこ?
「何考えてる?」
祥馬を見つめて何も言わないでいると、祥馬が眉間に皺を寄せて聞いてきた。
「祥馬の、ことだよ」
「俺のこと?」
縛られた状態のまま両手を前に出し、祥馬の顔に触れた。
「こんな祥馬、俺は知らない」
「……そう」
「あっ…」
祥馬は短くそれだけ言うと、衣装の中へと手を入れてきた。
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