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第1章
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「おかえりーー、 !!七瀬。
どうだった!?なんて返事したんだ。」
「只倉、うるさい。
声を落とせ。断るって言っておいただろ。
いい加減、色恋に過剰に反応するのをやめろ」
教室に戻ると、真っ先にクラスメートの
只倉が近寄り、叫ばんばかりの勢いで問い詰めてきた。
いつものごとく、そんな只倉を適当にあしらい七瀬は席に着く。
「健全な高1男子が、色恋以外に何に反応するって言うんだよ!
それに、告白してきた菱本さん、
かわいいじゃんか!色気に押されてコロッと落ちちゃったりしなかったワケ?」
「そんな簡単にコロコロ落ちてんのはお前と
どんぐりくらいだよ。
俺はいま、誰とも恋愛する気は無いって言ってるだろ。」
席に座り、教科書とノートを取り出す。
その冷静な態度を見て、只倉は不満そうに、ブー、と唸った。
「七瀬くん。人生ってやつは、
ハッチャケてナンボだぜ。
そんなに固くなってどうするよ。
右に恋人。左に彼女。
これが全国の日本男児の理想だろうがよ。」
「……。」
「七瀬、お前はモテるんだ。
分かったらさっさと恋人の一人や二人つくれ。
そしてその恋人の女友達を俺に紹介してくれ。」
「…。只倉、馬鹿なこと言ってないで前を向け。
もうすぐ、授業が始まるぞ。」
呆れたように細い目を向ける七瀬と、
しばらく謎のにらめっこをした後で、
只倉はまた、ブブブー、と唸った。
口を文字通り、への字に曲げ、天を仰ぐ。
そして、嘆いた。
「あ〜あ、
やっぱり、御船の言ってたことは正しかったってことかなぁ…。」
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