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第1章
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「強引に、もっともっと、と
泣いてせがんだじゃないか。
自分の事を棚にあげて、只倉を責めるのは
良くないぜ、七瀬。」
笑いを含んだ声が、耳朶にかかる。
クラスの者たちは、突然の御船の出現と、
委員長との珍しい接触にざわついている。
「きゃーっ、御船くんよ!
教室に来るなんて、珍しい!!」
「しかも、委員長さまと絡んでらっしゃるわ!
これは、レアよ!!写メ写メ!」
只倉は何が何だか分からないといった顔で、
七瀬と御船を交互に見やった。
最後の方の言葉は、幸運にも聴こえていなかったらしい。
「泣いて、喜ぶ…?
なんの話だ??
ってゆーか、意外だな、お前ら、そんなに仲良かったのか。」
呆けている只倉に、御船は妖艶に笑いかける。
「なんだ、只倉聞いてなかったか。
俺と七瀬は、結構、深い仲なんだぜ。
女じゃ分からない、あんな事やこ〜んな事まで
知ってるからな…」
そう言いながら、御船の長い指が、
シャツから僅かに覗く、七瀬の首元に優しく触れた。
そのままなぞるように、首筋を伝って行く。
ーーー途端、それまで動けずにいた七瀬の身体が、カッと熱を持った。
椅子を蹴って立ち上がり、そのまま勢いを殺さず、御船の胸ぐらを掴みとる。
「お、おい、どうしたんだよ!
七瀬、いきなり!!」
今まで見たこともないような、七瀬の行動と憤怒の表情に、只倉も慌てて、立ち上がる。
それまて華やいでいたクラスの声も、
七瀬の行動で、一気に、不吉などよめきへと変わる。
「…お前、御船。
ふざけるな…!お前が俺の何を知っているっていうんだ…。
いつまで下らないことをぬかすな。」
自分でも、驚くくらいの低い声が七瀬から
吐き出される。
しかし、当の御船本人は、
嫌がるどころか、むしろ状況を楽しむように
七瀬を見下ろしている。
まるで、全てを見透かしているかのように、
七瀬の様子を観察している。
七瀬はたまらず、胸ぐらを掴んでいた手を強めた。
「な、七瀬…!御船…」
「おい、君たち何をしているんだね?!」
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