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第4章
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呼吸が、止まる。
七瀬の世界から、一瞬にして音が消えた。
ただ、自分の心臓の音だけ、いやに大きく鳴る。
ーーー…なんだって?
ドクンドクンと音が加速する。
聞き間違いだ。
そうに違いない。
御船は依然、表情を変えぬまま、
七瀬を見下ろしている。
完全に固まった七瀬を見て、もう一度、告げる。
「お前が、好きだ。」
両手首を掴んでいる手が熱い。
七瀬は、やっとのことで、口を開き、
声を絞り出した。
「………御船。」
「…うん?」
「…悪い冗談はよせ。」
「冗談じゃねえ。
お前が好きだ。」
「嘘だ。」
「嘘じゃない。」
曇りのない御船の声に、七瀬は更に戸惑う。
揺るぎなく注がれる視線が痛い。
ーーー嘘だ、嘘だ。あり得ない、そんな事あるはずがない。
ゆるゆると、七瀬は首を振る。
…だって、
「…本命が、居るんだろ?
クラスに……」
「だから、それがお前だよ。」
「…女の子だろ?」
「誰もそんな事言ってねえだろ。」
七瀬は目をつむり、思いっきり叫ぶ。
「嘘だっ!!」
暴れて御船の拘束を解こうとする。
しかし、御船の力は強く、固い手はビクともしなかった。それでも身をよじり、懸命に叫ぶ。
「嘘だ!!そんな事は信じない!!
おれを騙すための嘘に決まってる!!」
御船の顔が近づいてくる。
「…七瀬。」
「いやだっ、はなせ…、いますぐ、おれからはなれろ。」
「七瀬…。」
ーーーああ、やめろ。その声で呼ぶな。
身体の芯が熱く火照る。
しかし、心は焦り、ますます怯えてゆく。
気を抜けば、身も心も全て屈服してしまいそうで恐ろしくなる。
七瀬は恐る恐る、薄っすら目を開き、再び滲み出した視界の中にいる御船を見上げた。
「…どうしてだ?…御船。どうして…っ。」
するといきなり、口を塞がれる。
熱い舌が入り込み、七瀬の口を蹂躙する。
「んんっ、やめ!…んん」
力が抜ける。
七瀬は、まずい、と焦り、御船の舌を噛む。
御船はピクリと反応したが、行為はやめず、
仕返しだ、と言わんばかりに、強く舌を吸い
七瀬の身体の力を徐々に奪っていった。
ーーーああ、ダメだ…!飲まれるな!
自分を厳しく叱咤しながらも、
やはり身体の方はゆっくりふやけ、徐々に徐々に
ベッドに沈み込んでいった。
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