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第11章 side 御船
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ベッドの上で、七瀬が必死に身をよじる。
しかし、御船も負けず強い力でのしかかっていた為、そんな抵抗は無いに等しいものだった。
久しぶりのキスに身体や心が熱くなる。
「んッ、ゃ…、御船っ」
深く深く入り込み、七瀬の舌を絡み取って吸い上げる。七瀬の身体の力が同時に一気に抜けた。
くたりとベッドに沈んだ七瀬から口を離し、少し汗ばんだ額にちゅ、とキスを落とす。
「ッは、あ、は…、み、ふね、何を…ッ」
七瀬は荒い息を吐きながら、戸惑いの表情を浮かべて御船を見上げる。その表情に、御船の心は更に湧いて、
熱っぽく、首筋から首元へと食むような口づけを落として行く。
「あ、ッ…御船!だから、お前、何を…、」
「何って、おはようのキス。」
ーーー七瀬だ、
この戸惑いも、わずかな抵抗も、恥じらう仕草も、
意地を残しながらも抗いきれずに出すこのあえかな声も、
すべて七瀬そのものだ。
仰け反った顎の裏に追い打ちをかけるようにまたキスを落とす。
「あ!バカ、お前やめ、」
反論しようとした口をまた塞ぎ、舌を入れた。
身をよじる身体を愛おしむように七瀬を強く抱き締めた。そしてそのまま再び舌を絡めとる。
視界に映る七瀬は顔を真っ赤にさせて震えている。しかし、そんないじらしい恥じらいに反して、身体は御船にもっと、と強請るように淫らにくねり、絡みつくように動いていた。
その矛盾に、御船の嗜虐心と欲が更に高まり、抱き締める腕の力を更に強くさせた。
「ッ…ん、ぅ、ふっ」
そのまま七瀬の舌を思う存分弄んでいると、
不意にチクリと痛みが走った。
下を見ると七瀬が少し潤んだ目で睨みあげ、御船の舌を軽く噛みながら、拘束する腕を外そうと手を押しやっているところだった。
御船の心が更に疼く。
あたたかい悦びが全身に染み渡ってくる。
舌に落とされた痛みにすら、愛しい懐かしさを感じる。
口を塞いでなかったら、笑い声が出てしまいそうだ。
御船は、七瀬の抵抗と強情を歓んで受け入れた上で、こちらも仕返しに、と言うつもりでベッドに沈んだ身体を抱き上げながら、思い切り舌を吸った。
卑猥な音と共に、七瀬がくぐもった悲鳴をあげる。
「んぅーーッ!」
七瀬はビクリビクリと、痙攣を繰り返した後に、
力尽きたように、ぐったりと、御船の腕の中に再び落ちて来た。
それを確認した御船はゆっくりと口を離し、
たまらずニヤリと口角を上げる。
憎らしさと悔しさを含んだ目で七瀬が睨んだ。
ーーーああ、その瞳、
「ッは!…お…まえ、だから…!何やってんだよ!」
ーーー尖った声、
「だから、おかえりのキス。」
「お前ここをどこだ思ってる!?誰か来たらーーー…」
ーーー理性と快感の間で揺れる身体。
七瀬が言い終わる前に、持ち上げていた身体を再びベッドに押し倒し、ガバリと強く抱きしめた。
腕の中で、華奢な身体は強張り、七瀬の喉がひゅっと鳴った。
御船は目を瞑り、その薄い肩に顔を埋めて、
体温を確かめた。
七瀬の身体も、御船に負けず劣らず、熱い。
御船の髪に恐る恐る手を触れた。
「お、おい…御船…?」
御船は答えない。
答えずベッドの上で固まったまま、
まるで赤ん坊のように、七瀬の肩に顔を埋めている。
なんだろう、おれ何か変なこと言ったか?
(いや、この場合、何か変な事を言っているのは御船の方なのだが…)
それともいきなり具合でも悪くなったんだろうか。
「おい、御船ってば…、」
心配になってトントンと背中を叩く。
すると、御船が小さな声でぼそりと呟いた。
「待ってた…、」
呼吸が止まった。
代わりというように、心臓がどくん、と大きく鳴る。
「ずっと、待ってた…、七瀬、もう、」
御船はベッドと身体で七瀬を閉じ込めるようにして、動かない。
御船の声が更に掠れていた。
「…もう、どこにも行くな、」
「…ッ、」
言葉が出ない。
視界が滲む。切なさと愛おしさが胸に溢れる。
手からも指からも吹きかかる吐息からも、
切羽詰まったような、切ないような、狂おしいような愛情が、全体から伝わってくる。
ーーー御船…、
御船…、
本当に子供みたいにキュウッと七瀬の身体を抱き締めて離さない。
おれは、
「おれ…、」
思わず、腕に力がこもる。
おれもーーー…、
と、言おうとした所で、カーテンの向こうから
コホンという咳が聞こえた。
「お取り込み中のところ失礼、少しいいかしら?」
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