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片思いを合わせて…
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背中がひやりと冷える。
七瀬は拘束が弱まってもなお、
動けなかった。
御船の顔が見れない。言葉の続きを聞くのが、
怖い。
「好きだ。」
ピクリと肩が震える。
ーーー違う…、
やめろよ、そんな、
「好きだ…、七瀬、
誰よりも、なによりも、一番お前が好きだ。」
そんな哀しげな声で、
そんな事言うなよ。
「だから、選んでくれ。」
いつものお前らしくない。
「え、らぶ…?」
「今回の事件が起きてから決めてた。
本当のことを言おうと。お前が俺に気持ちを伝えてくれたその時に。」
ーーーな…んだ…、それ、…本気か?
震える手や、決して合わせない視線。
こんな状況で…
そんなの、卑怯だ。
そんな苦しげな声で。
視線も合わさずに。
御船はまだ腕を完全に離してはいないが、今や完全に七瀬の力一つで抜け出せるくらい弱々しい。
けれど七瀬は御船の顔を見る事が出来なかった。
「…七瀬、選べ。今なら、」
今なら、自由にもしてやれる。
その一言に、七瀬の視界が真っ黒に染まった。
ーーー自由?
自由だって?
…ふざけるな…。
「俺の歪んだ想いから、お前を逃がしてやれる。」
ふざけるな!
暗かった視界が一気に赤く染まる。
七瀬はそのまま勢いよく、御船の腕を払う。
御船の身体が強張ったように一瞬硬直した。
それでもあえて、七瀬を追おうとはしない。視線も合わせてこない。
その態度に更に七瀬の怒りが増す。
「お前、ホント、卑怯だ。」
そう言うと、御船の胸ぐらを掴み、ベッドに押し倒す。そして驚く御船に覆い被さるように強引にキスをした。
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