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18歳以上ですか?
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凛とおしゃべりをしていたら教授が入ってきて会話は一旦閉じられる
黒板に顔を向ける凛の横顔を見ながら、俺は初めて会った時のことを思い出していた
初めて会ったのは大学1年
講義が重なっており、たまたま凛の隣に座った俺
席について、カバンを開けた時教科書を忘れていることに気づいた
え、というかルーズリーフも筆箱も入ってないんだけど。
ほかの講義の教科書と友達から借りた漫画と小説
自分のカバンの中身に呆然としている俺に不思議そうな顔を向けてきたのが凛だった
「どうかしました?」
説明するより先にカバンの中身を見せる俺
すぐに理解したのだろう
まだ名前も知らない彼は中性的な顔に苦笑を乗せてルーズリーフ数枚とシャーペン、3色ボールペンを貸してくれた
「教科書は一緒に見るってことでいいですか」
「いいの?!ありがとう!
神ってより、もう、女神様だね!」
呆然としてた瞬間から一気に光が見えた気がして可笑しな事を口走る俺
そんな俺に、今度はちゃんとした笑顔でクスクスと笑ってくれた
すぐに教授が来てしまい、一旦会話が途切れる
講義中に話しかけても良かったが、まじめに話を聞いている横顔を見てしまったら喋り掛けることが何となく戸惑われた
「ほんとありがと!助かった!
名前は?なんていうの?
タメ口で話そうよ。
あとお礼にお昼奢るから一緒に学食行こう」
講義が終わった瞬間、一気にまくし立てる俺
そんな俺をまたも変わらない笑顔でクスクスしながら月島凛という名前であること、18歳で自分も学食であるから一緒に行こう、と返してくれた
ただ、そんな、大したことはしていないからと奢ることは断られてしまったが、ここは押しの強い俺が勝った
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