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(・∀・)主人公の名前はサランになりました。
「体調に気をつけるのですよ?ああ、わたくしのかわいいサラン!幸せになるのですよっ」
「はい!お母様っ、…泣かないでくださいませっ」
「サラン、お前は私の自慢の息子だ。結婚式には出てやれないが、いつもお前のことを思っているからね。ステラのように立派な花嫁となっておいで」
「はいっ!お父様!お母様のようにしっかりと旦那様をお支えしたいと思っています」
「サラン、いってらっしゃい…グスン」
「もう15になったんだな。前まではこんな小さかったのに…ふふ、行っておいで」
「サラン、お前はかわいい俺たちの弟だ。何かされたら言うんだぞ?俺らが叱りに行ってやるから」
「行ってこい、サラン。良い嫁になって来な」
「はいお姉様、お兄様。わたし、行ってまいります!」
小さいけれども豊かな国ソア。大自然に囲まれてのびのびと育っている国。その第4王子、つまり四男サランは大国ハーシュッドへ嫁ぐこととなった。
「行ってきます。ふふ」
生まれたばかりの次女にも手を振って、サランは馬車へと乗り込んだ。
ハーシュッドの王は‘魔王’と呼ばれる程の魔力と美貌を持ち、100年は生きているという。
あちらも小国ソアと同じように森に囲まれており、食文化は似ているだろう。
「どんな方なのでしょう…先ほどみんなから、たくさんの国民からも祝福されて出てきたというのに、不安になってしまいました…いけませんねっ」
遠く離れた国で、馬車の旅もあと10日かかるようだった。
「王子様、もう少しで着きますよ」
「本当ですかっ!!」
サランは大きな期待に満ちていた。
いつか父と母のように愛し合って国を築くこと。
子どもを育てること。
ソアで過ごしたときのように、毎日輝いた日々を送ること。
「結婚式は、素敵だといいなぁ」
母が語った幸せな式を聞いた時はサランが5歳。その頃から誰かと結ばれてすてきな結婚式を挙げることが夢だった。
サランは純粋だった。
「(早く会いたいですっ、未来の旦那様っ)」
だから、ハーシュッド国で歓迎されていないこと、
王、側近、家来たちからの冷たい態度を直に感じとった時。
サランは弱々しく泣いてしまった。
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