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「!…おはようございます。サラン様」
気がつくとサランの視界にはレミルが。
いつのまにか部屋にさしていた日光がなくて、あたりは真っ暗になっていた。
「レミルさ、んっ!けほけほっ」
レミルがいることに安心して声を出したら急にむせてしまったサラン。
喉が痛いっ…
「大丈夫ですかっ?
こちらがお水です。さあ、お飲みください」
背に手を回してくれて上体を起こす。
グラスを口に近づけてもらい、
口を付けるとゆっくり傾けてくれた。
「そうです、ゆっくりでいいんですよ」
「ん、コクコク」
水が冷たくて気持ち良い、美味しい、
ふわふわのベッドが柔らかい。
サランが水を飲み終えると、レミルはサランの背側にクッションを積み上げた。
こういうやり取りをしているうちに、サランはだんだん視界がはっきりしてきた。
「(あ、あの子たちはっ!?)」
静かすぎる。レミル以外に人がいない。王様もいない。
そう気づき慌ててキョロキョロと周りを見渡すと、
「サラン様、こちらです。御子様は眠っていらっしゃるいます。サラン様が目覚めてはしゃいでおりましたから。」
そう言って小さな籠をサランの太ももあたりにそっと置いた。白いシーツの中でくるまる2匹の姿がそこにはあった。サランは籠ごと抱きしめた。
「ティラシュア、エルディオ…よかった、」
「(夢じゃないんですね…私の可愛い子どもたち…嬉しい、嬉しい、この子たちに会いたかった、抱きしめたかった…)」
「…あ、あの、レミルさん、王様はどこですか?」
しばらく経ってサランが眉を下げる。にこにこしていた顔はしぼんでしまった。
「今は会議に出席しに他国に行っているのですよ」
「えっ?お一人で、ですか?」
「はい、そうですが…どうされましたか?」
「…心配です、ハーシュッド国は広いですから、隣国でさえ遠いといいますのに…」
「ああ、護衛などあの方は必要ありません。安心してくださいサラン様。無事に帰ってきます。それに、あなたの目覚めを待っていらっしゃいましたから、必ずサラン様の元へ戻ってきますよ」
「はい、…ありがとうございます、レミルさん…」
安心したサランは、籠をひとなでしてもう一度眠りについた。
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